スティーブン コビー氏は成功哲学者としてビジネス界ではメチャクチャ有名な人物ですよね。7つの習慣の著者です。さて、このコビー博士は7つの習慣のかなり序盤の方ですが「インサイド・アウト」という考え方を述べています。

自分の身に日々降りかかる様々な問題は原則としてコントロール不可能ですよね。コントロールできたら問題はそもそも起きないわけですから。

「インサイド・アウト」という考え方は、すごーく簡単に言うと、自分の身に起こることはコントロールできないが、捉え方はコントロール可能だという考え方です。嫌な出来事が起きたときに人は普通は自分を被害者の立ち位置にして受け止めますが、
それやってても何のプラスにもならないよという考え方です。人間は自分の身に起きたことを自分以外の何かのせいにしたほうが気持ちが楽ですから、意識して問題を回避するために自分にできることはなかったのかを考えた方が、自分にとってプラスになるよと。
こういうものの考え方を「インサイド・アウト」と述べています。
この反対、物事の原因をすべて外に求める考え方は「アウトサイド・イン」ということになります。
例えば、典型的なアウトサイド・インの考え方だと
子供の成績が下がってクラスが下がったのは、担当講師の指導力不足が原因と考えます。
「二月の勝者 七月の衝突より」
これが典型的な「アウトサイド・イン」の考え方になります。この考え方だと、子供の成績を上げるには担当講師の考え方や指導法を変えてもらわねばなりません。それができないとなると担当講師そのものを変えなければ成績が上がらないという理屈になりますね。
個別指導ならまだしも、集団指導で一部の生徒のために講師を変えるというのは、現実的ではありません。
そして、親がこのようなものの考え方をしていると、子供にも同様の考え方が伝染してしまいます。

自習室がうるさくて使えない、クラスの女子同士のゴタゴタに巻き込まれてしまったといった理由でテストの点が悪かったと言い出した子供に対して、このお母さんもさすがにこのままではまずいと注意をします。しかしこのお母さんもそもそもアウトサイド・インの考え方は変わっていませんので、親として自分が何かできることはなかったのかという視点が抜け落ちてしまっています。 そのため注意だけにとどまらず、この時期に受験生に対して行ってはいけないことをうっかり言ってしまっています。

これは、この時期の受験生には絶対に言ってはいけない台詞だと思うのは私だけでしょうか。母親からこのようなことを言われたこの子は、果たしてこの先も高いモチベーションを保って、受験勉強を続けることができるのでしょうか。

このアウトサイドインの考え方から脱却できない保護者の不用意な発言によって子供が深く傷つき、受験勉強をやめてしまう、受験は終えたもののその後強烈な反抗期に入る、最悪のケースだと中学に入学後一切の勉強を辞め引きこもりになるなどのケースは私も何度も見てきています。

インサイドアウト。 身の回りに起きる問題に対して、気が楽な被害者の立ち位置に立たず、その問題を回避するために、あるいはその問題を解決するために、自分としたら何かできることはなかったのか、これからできることはないのかという視点こそが中学受験をする子を持つ保護者に求められる姿勢だと思います。