第1講2部 
二月の勝者×塾講×受験ブログ


【二月の挑戦】

(C)高瀬志帆 小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』



当日のトップ生の体調不良

入試あるあるです。これ、小学生だけでなく中学生の高校受験でもよく起こります。特に、中学受験をする子はプレッシャーに弱い子が多い印象を私は持っています。
●勉強ができるからと言ってもまだ子供
小学生時代の約半分に当たる三年間の多くを勉強に使っているのが中学受験です。まあ、こうしないとなかなか合格できないので、仕方がないことではあるのですが、勉強に時間的なリソースを割くということはそれ以外の事には割かないという選択をしていることになりますよね。そうすると普段の友人関係で培われるもの、スポーツや習い事を通じて培われるものなどを経験する機会が極端に減ってしまいます
特に小学五年生の後半から小学六年生にかけての一年半は思考力が急成長し、大人に追い付く時期です。こうした時期に勉強以外の経験をする機会が極端に減ってしまっていると、中学受験をしない子が身につけていたり、強化されてきていることが、充分に身についていなかったり、鍛えられていなかったりするのは当然です。イメージとしてはサッカー一筋でやってきて、クラブチームでプレイしているぐらいサッカーは上手だけど、水泳はほとんだやったことがなくて、バタ足程度しかできない。みたいな感じてすかね。
だから、周囲の大人がそれを踏まえてケアをする、先回りをした作戦、計画立案しておくということが必要になります。
●子供の精神的な脆さは踏まえておく
勉強ができる子に限った話ではなく、今の子供は大人が思うほどメンタルを鍛えられていません。社会が成熟してきた証拠だとも思いますが、子供にとって都合の悪い大人を排除する傾向が強くなり、また、それが正しいこととする社会に変化してきました。
昔は学校に一人は必ずいた「わけのわからないヤバい先生」は昨今、姿を消しつつあります。
塾も昔は「帰れ」「やめちまえ」「来るな」という怒号が聞こえてくるのは日常茶飯事でしたし、体育を教えていないはずの塾なのに何故か竹刀をもっち歩いている先生とかもいました。こうした雰囲気が良しとされる時代もあったのですが、今はこれを言ったりやったりするとアウトですよね。
昔の小学生はこういう怖い先生や厳しい先生にどう接していくか、どう対処していくかという点で精神面が鍛えられていたのではないかと思います。今はこういう大人に接する機会がかなり減っています。ですから精神的な脆さを計算に入れて受験計画を立てる必要があります。

そして…
●前受け受験の重要性
ここのコマに今一度注目下さい。

ちょっとクローズアップしますね。

「これじゃ全落ちだよ」
作者の高瀬さんの取材の深さと作品の作り込みの丁寧さを感じます。
この生徒は第三志望は受かっています。お試し受験とは違ったとも言っています。ここから何が読み取れるのか。
おそらく前受けで受けた学校はお試し受験気分で受けにいく学校で合格をしているということになるでしょう。その学校は第三志望の学校だった。にもかかわらず「これじゃ全落ちだと」と本人がいうということは本人にとって第三志望の学校に行く意義を感じていない。それぐらい実力に見合っていない学校の可能性があるということが読み取れました。
保護者の方針なのか、担当講師の提案不足なのかは語られていないので分かりませんが、これは計画の段階で潰しておける状況だったと思います。

◎前受け
二月一日を中心にこの日より前に行われる一月入試を指す用語です。前受験、先受けといったバリエーションもあります。しかしなんですね。職人っぽい雰囲気を出したいのか、塾業界って専門用語が結構あって、それを業界と関係ない保護者にも平気で使う人が多いですね。
○○君は前受け全BだったからZ回避のため、2月○日は△中学を受験することにしました。とか会議で飛び交うんですよ。新人のときは全く意味が分かりませんでした。

前受けは本番に向けた前哨戦という意味合いで受験をしに行くことなんですが、塾講師の中にもこれを「お試し受験」と言い換えしまい意味を取り違えている人が結構たくさんいます。
前哨戦とお試し受験ではニュアンスが違ってきます。前受けは合格をとれるところを練習がわりに受けて来ればいいというものではありません。

もちろん、合格可能性が高いところを一つ受験してセーフティネットを作ることは前受けの一つの意義ではありますが、ポイントが少しずれています。

本番前に勝つか負けるか微妙な戦いを経験しておくということが大事なんです。つまり一月に受験できる学校だけで一月受験の第一志望から第三志望ぐらいまでをつくっておくということです。一月で入試を終了しても良いように一月だけでしっかりとした受験プランを準備しておくことが前受けの意義です。特に千葉在住の受験生や埼玉在住の受験生は、この前受けの方を本番として受験している生徒はかなりいます。

二月の学校は一月の受験結果が不本意だった時に受けるという構えのご家庭です。

特に千葉県の方はこの傾向が強いです。

1/20~1/23にボルテージを完全にあわせて臨んでくるんですよ。東邦大東邦、市川、渋幕or昭和秀英と難関校の入試が集中しています。

人気の専修大松戸や芝浦工大柏なんかもこの辺りです。地域によりますが、この1/20よりやや早い1/17に入試を行う茨城県の江戸川取手中学を前受けとして受けて、1/20以降の入試に備える千葉県民は相当います。

こういう受験生と合否を争うわけですから前受けと言えども侮ってはいけませんし、二月の本番に向けて、もし、二月がダメだったら行ってもいいかなと思える学校を受けることに意義があります。もちろん、一月の本命校がだめだった時に二月の受験をどう変更するのかもあわせて計画しておかなければなりません。