SFのアンソロジー「人工知能の見る夢は」(文春文庫)

  

   AIをテーマにしたショートショート集です。

   「対話システム」「自動運転」「環境に在る知能」「ゲームAI」「神経科学」「人工知能と法律」「人工知能と哲学」「人工知能と創作」の各テーマに分けられたショートショートがそれぞれ、3編から4編ずつ収録されています。そして、各テーマの間に、そのテーマに応じた専門家の解説が挿入されています。

 

 

   初出はすべて人工知能学会の学芸誌「人工知能」ということもあり、既読の作品はありませんでした。

 

   結論から言えば、たいへんにおもしろく読めました。むずかしい作品がないので、SF初心者の方にもおススメです。

 

   メールの返信を持ち主に代わって即答してくれる「即答ツール」、掃除ではなく、掃除の前段階の片付けをやってくれる「お片づけロボット」、社会を制御しているAIが中二病になってしまう「人工知能は闇の炎の幻を見るか」が、特におもしろく読めました。

 

   挿入されている解説もおもしろいですが、科学が苦手な方は読まなくてもよいと思います。

 

   最後に、実際に人工知能がたてたプロットに基づいて書かれた作品「人狼知能能力測定テスト」が収録されていますが、これも傑作です。