もう時効だと思うので書いてしまうが、

 
ドイツで日本語を教えていた頃に
 
とんでもなく異色な生徒が一人いた。
(ちなみにドイツ人ではない)
 
彼は
 
「何としても日本人と結婚したい」
 
と言う
 
いっそ清々しい理由で日本語を勉強していたのだが、
 
そんな彼がとうとうある日
 
日本人女性の心を射止めたと
 
嬉々として報告して来た。
 
 
私 「彼女が出来たんですか?おめでとうございます。」
 
生徒 「はい!僕は彼女を見てすぐに、僕達は結婚する運命だと分かりマシタ。」
 
私 「そうですか。どこで知り合ったんですか?」
 
生徒 「日本旅行に行った時に、居酒屋で会いマシタ。
隣の席に座っていたので、話かけマシタ!
そして、彼女になって欲しいと言いマシタ。」
 
私 「せ、積極的ですね。それで遠距離で付き合うことになったんですか?」
 
生徒 「実は、彼女から今は付き合えないと言われマシタ。
でも、僕達は運命の相手同士なので、
時間の問題デスネ。
僕にとってはもう彼女デス。
 
 
 
いや、急に話がきな臭くなってないか?
 
 
 
私 「いや、でも、付き合えないと言われたんですよね?」
 
生徒 「あぁ、それは正当な理由があるんデスヨ。
僕の彼女は結婚しているんデス。
 
 
 
 
は?
 
 
 
 
私 「えっ?旦那さんがいる女性なんですか?」
 
生徒 「はい。彼女はトテモ可哀想な人デス。
僕の彼女は間違った相手と結婚したので、
今僕と付き合えないんデス。」
 
私 「えっと…その方は近々離婚の予定が…?」
 
生徒 「いいえ。彼女は旦那さんを恐れているノデ、
離婚出来ないと言いマシタ。
でも、僕たちの運命は繋がっていマス。
僕には分かっていマス。
そのうち彼女は離婚して、
僕と結婚する運命なんデス。
だから、彼女の旦那さんがそれに気づくまで、
僕達は待ちマス。」
 
 
 
いや、怖いんですけど!!!!
 
 
 
 
この生徒の妄想癖がヤバ過ぎるのか、
 
はたまた相手の女性が彼を騙したのか・・・・
 
私には分かりかねるが
 
これ以降彼は突然レッスンに来なくなり、
 
結局そのまま音信不通となった。
 
 
 
今でも時々ふと思い出す、
 
なんとも後味の悪い会話であった。