これまでのお話
  


こうして迎えた手術当日、

前日からの断食ですでに私のHPはゼロ。

さらにここからは水分も摂取できないので、

MPもじりじりと減っていく一方。

魔王の城(と書いて手術室と読む)を前にして

すでにゲームオーバーの危機である。


嗚呼、周りからただよってくる朝食の香りが恨めしい・・・・


一人ベッドで震えながら味噌汁の香りに耐えていたところ

ここでうちのおかんが

片手に香り立つコーヒーを持って颯爽と現れた。


なぜ、今ここで飲む!!!!


その後手術の順番が来るのを

ブログを書き溜めながらしおらしく待っていたのだが、

待てど暮らせど、なかなか手術室が開かない。

いや手術の時間がずれ込む可能性は理解していたのだが、

何度も言うように極度の空腹状態であった私。

これ以上待っていたら、

無意識のうちに隣の患者さんの昼食を強奪しかねない。

そうなる前にナースコールを押すべきか、

いやしかし、「腹減った」でナースコールって

モンスター患者以外の何物でもないわな・・・・。


そんなことを思っていたところで

ようやく手術室からお迎えの看護師さんが登場。

ちなみに手術といえば

ベッドに横たわって手術室に運ばれていくイメージだが

私の場合は(空腹以外)至って健康体であるため、

まさかの徒歩入室であった。
(普通に「失礼しまーす」と言って入った。)


手術室に到着後は手術台で静かに待機。

まわりの看護婦さんや麻酔医さんには

「緊張せんで良いけぇね」

「麻酔が入ったら3秒で良い夢見られるけんね」

等々しっかり励まして頂いたのだが、

正直この時の私にとっては

体にメスが入ることより空腹の方がよほど切実な問題。

私が空腹で世界を滅ぼす前に、早く眠らせてくれ・・・

と思っていると

左腕にプスっと注射針を刺される感覚がした。



・・・・・・・と思った瞬間には、世界が暗転していた。



ちなみにこの時世界がブラックアウトする中で

麻酔医さんが

「良い夢を!」

と言ってくださったのが微かに聞こえたのだが、

おかげさまで夢の中の私は

山ほどの桜餅を食べられて大層幸せであった。



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その後目が覚めて母の顔を見た時は寝ぼけて

「あ、おはようございます」

と挨拶したそうです。

何故そんな事務的な口調に・・・・?