これまでのお話(



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謎の少女スージーの『自分撮影会』に長々とつき合わされ

餓死、凍死、及び(ストレスでの)憤死の危機に晒されていた私。

再度彼女に

「いい加減ランチにしよう。私もう寒いし腹減ったしで我慢できない。」

と告げたところ、

なんと彼女の口から驚くべき言葉が飛び出した。




スージー 「良いけど、私お金ないのよ。」

私 「?あぁ、この辺は確かに物価高いけど探せばファストフードもあるから。」

スージー 「じゃなくて、そもそもお財布を持ってないのよ。」







は?






「忘れて来たの?それともまさか落とした?」とおそるおそる尋ねる私。

すると彼女は何故か誇らしげに、自分の状況を語り始めた。




「ほら、私2週間前にこっちに引っ越して来たでしょ。
その時飛行機のチケット代はママに出してもらったんだけど、
まぁ私も26歳で良い大人だし
大人になるといつまでも親に頼っていられないのよ。

自立しなきゃいけないの、分かるかしら?
それでママにチケット代を払うことにしたから、お金を節約しなきゃいけない訳。
その為にはお財布は持ち歩かない方が良いのよ。」








さも「自立心のある親孝行な娘」と言わんばかりの大演説であったが、

早い話が、親にチケット代を立て替えてもらっただけのこと。


「財布を持ち歩かなければ節約できる」という一点だけは共感できるが、

ならそもそも何故人をランチに誘う。




というかあんた、私と同い年やったんかい・・・・・・。





あまりに思考回路が幼いのでてっきり彼女は20歳くらいだと思っていた私としては

知りたくもなかった予想外の真実。

御年26歳にしてようやく

「交通費は今後自分で払おう!」


とご立派な自立心をお持ちになられたのは喜ばしいことだが、

だからと言ってランチに財布を持ってこないなど

もはや彼女の思考回路が宇宙過ぎて怖い。





私 「お金、全くないの・・・・・?」

スージー 「ないわ。でも気にしないで。あなたがご飯食べてる横で見てるから。

私 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」





ここで

「そうか、ではさらばアホの子よ!永遠に!」


と全てをぶん投げるのは簡単だが、

私には「私の名前と番号の流出元を確かめる」というそもそものミッションがある。

仕方がないので

「飲み物くらいなら奢るから・・・・・・」

と彼女を誘い、旧市街の元来た道を戻ることにした。

途中彼女がいかにも入りたそうに観光客向けのレストランを物色していたが

さすがの自称大和撫子もそこまで太っ腹ではないため

目指すはバーガーキング。

彼女には悪いがすでにお腹と背中がくっついていた私は

自分用にチキンバーガーを一つと水を注文、

彼女には問答無用で一番小さいコーヒーをオーダーした。

相手が一般常識の定義に収まり得る【他人】ならもう少し気をきかせただろうが

既に私の脳内で彼女は

【要注意人物:餌を与えてはいけません】


のカテゴリーに分類されている。

さすがに笑顔で「何が食べたい?」と訊いてやる義理はないだろう・・・・・。





さて、彼女のどうでも良い身の上話と彼氏自慢をBGMに

なんとかバーガー1つで腹の虫の内乱を食い止めた私。

ここでいよいよ彼女に例の質問をぶつけてみることにした。



私 「ねぇ、私の番号と名前、誰から訊いたのか教えてもらえる?」

スージー 「え?あぁ、○○○っていう団体よ。知ってるでしょ?」




この○○○とはドイツ全土の留学生や若い外国人が多く登録している団体。

外国人のドイツでの生活をサポートし、

イベントを通じて外国人同士コミュニケーションの輪を広げさせるのが目的らしく

私は知り合いから勧められて一応メンバーとして登録している。

スージー曰く

「友達が欲しいからこの辺に住んでいる人を紹介してって言ったら
5人分の個人情報をもらえた」


そうだが、

それは個人情報の流出というやつではないのか。


少なくとも、私の入会時の書類にそんなことは書いていなかった。




もう、なんかどっと疲れたわ・・・・・・。





「来週末も遊びましょうよ」

と言うスージーを

「うん、無理。仕事だから無理。超無理。」

と適当にあしらいつつ、

心の中で世界を呪った私であった。



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とりあえず、スージーが欲しがっているのは友達ではなく

「専属カメラマン」


の間違いではないかと思います。





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