*6月中旬*


さて、いざいろいろと旅行の手配をしようという段になって

念のため上司に、旅行の日程を再々度確認しておくことにした。

というのも実は以前イングランドで働いていた時に

全てのチケットやホテルを予約した後に、休暇の日程を無理やり変更されたことがあり

結果的に諸々のキャンセルで1万近く払う羽目になった苦い思い出があるのである。

今の上司は非常にホワイトなのでそんなことが起こるとは思えないが

一応、自分の精神安定上確認しておこうかな、と思っていた私。


ところでここで予想を斜め上に行く事態が勃発した。



私 「あの、一応再度確認しますけど、私の休暇って8月1日から2週間ですよね?」

上司 「あら?あなたの休暇なら、7月18日から1ヶ月取れるわよ。
合間に数日だけ働いてもらうことにはなるけど。」





知らない間に休暇が2倍に増殖していた。





労働者の権利が手厚く守られている国なだけあって、私の有給は年6週間。

とはいえまさかぶっ通しで1ヶ月も休暇が取れると思っていなかった私は、流石に軽く動揺した。

4週間あれば、前半2週間は自宅でのんびりして後半はホリデーに出られる。

残念ながらまだドイツのビザが発行されていないのでスコットランドには行けないが、

がっつり集中的にドイツ語を勉強する良い機会にもなるだろう。




こうして緩やかに休暇に突入した私だったのだが、

とある朝目覚めると、これまたとんでもない奇跡が起きていた。

それは移民局から送られた1通の手紙から始まる。



『ぐーてんたーぐ!申請されてたビザが出来たので取りに来てね☆ (要約)』









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?








いや、ちょっと待て、8月中旬に面接をするんじゃなかったのか。

その為に既にアポも取ってあるはずだが、何故面接の前にビザが届くんだ。

ビザが発行されるのは9月頃じゃなかったのか。

と、混乱する頭でとりあえず移民局まで事情を聞きに行ったのだが

結局よく分からぬうちに担当のお姉さんに

「はい、これあなたのビザね、お疲れ様☆」


と真新しいIDカードを握らされ、帰宅するに至った。





ビ、ビザゲットだぜー・・・?






何だか釈然としないが、まぁ、思っていたより早くゲットできたので結果オーライである。

とりあえず私は速攻でバスのチケットを取り、グラニーにメールを送った。


「前略、グラニー。明後日スコットランドに帰ります。」



ここから私の怒涛の3週間が始まる。