秋がやって来た。
と言っても、では秋の前は夏だったのかと訊かれると
その答えは大いに謎である。
なんせ分類的には一応 『北ヨーロッパ』 に属すここスコットランド
この国での四季の定義はずばり
冬→通常モード
春→冬よりは心なしか暖かい
夏→冬よりはそこそこ暖かい
秋→冬よりは若干暖かい
である。要するに寒い。すごく寒い。
スコットランドに来る前は6年間京都に住んでいた私。
あの京都の盆地のむわっとした熱気なしには夏は語れない。
夜中に何度も熱気で目を覚まし
目的地に着くまでに汗でさっぱり流れ落ちる無意味な化粧に時間を割き
蜃気楼でゆらゆらする街中を蝉の大合唱に耳を傾けながら自転車でかっ飛ばして
キンキンに冷えた近鉄に飛び乗る。
それが私にとっての正しい夏のあり方である。
ニットのボレロ(7分袖)を平気で着ていられる段階で
スコットランドの夏はとうてい夏とは認められない。
そんな切ない夏も過ぎ去りこの国にも秋がやって来たのだが
さて、皆さんにとっての秋とはなんだろうか。
食欲の秋?
しかし豊穣や収穫と言ったイメージの強い日本の秋とは違い
スコットランドの秋はむしろ「やせ細って行く」印象の強い季節。
そもそも美味い物なんてあったのかという疑問はさておき
別段秋だからと食欲は沸かないのが現実である。
芸術の秋?スポーツの秋?
木枯らしが吹き冷たい雨の降りそぼる寂しい日も多いこの季節。
そうなると町にはなんとなく退廃的な空気が漂い
創作意欲が沸くような雰囲気でも
ましてやわざわざ体を動かしたくなるような雰囲気でもない。全くない。
読書の秋?
日光が非常に乏しいにも関わらず
何故か自然光だけでの生活が未だに好まれるここスコットランド。
それ故家の中の照明は日本に比べると必要最低限。
この季節、雨の日や曇りの日の屋内は電気を付けていてもどんよりと暗く
はっきり言って全く読書向きではない。
そんな天邪鬼な私にとっての秋とはずばり
「抜け毛の秋」
である。とにかく髪が抜けるのである。
秋だからそんなものとかもはやそんなレベルではなく
毎年この時期になるとごそっと毛が抜け落ち、
それが私を悩ませている。
寝起きに枕を見ればうっすらと降り積もった髪の層
頭をブラシで梳かせば面白いようにさらさらと毛が落ちる。
頭を洗おうものなら全身毛まみれという大惨事になり
排水溝は毎回使用後に掃除しなければ2日で詰まる。
部屋の掃除も大変で、こまめに髪を拾い集めてはいるものの
靴下でほんの3メートル歩くだけで足の裏は毛むくじゃらである。
このままでは私本体の体積より
抜けた毛の体積の方が多くなるのも時間の問題。
という訳でこの抜け毛を何とか改善すべくいろいろとググってはみたのだが
これが案外解決法がない。
一番良く見る解決法は
「夏のダメージで秋に毛が抜ける。夏からしっかりケアをすべし。(要約)」
なのだがもう終わってしまったもんはどうしようもない。
というかそもそも髪がダメージを受けるほど
夏の間お陽さんの恵みを受けていたかというと
答えははっきりとNOである。
次に良く見る解決法は
「育毛剤を使って抜けた分を取り戻そう」
だがしかし、
私はあくまで髪が抜けるのを止めたいのであって、
別に薄毛に悩んでいる訳ではない。
むしろまだまだふっさふさである。
さてさて、どうしたものか・・・・・。