ホテルのレストランで働き始めて分かったことだが

英国人は料理をカスタマイズするのが大好きである。

カスタマイズと言ってもそこは味覚音痴&偏食大国イギリス、

味付けに関する好みは基本的に超大雑把なのだが


食材そのものに対する注文は笑えるほど多い。

一番多い注文は

「○○○と×××が嫌いだから抜いてくれ」


子供用ならともかく、良い歳した大人がホテルのディナーの席で

「ピーマンも玉ねぎもニンジンも嫌いだから入れないでね」


と堂々と言えてしまうことに私はいっそ感動を覚える。

もっともこの国では基本的に食べ物の好き嫌いは個性として認められているので

恥かしいという考えがそもそもおかしいのかもしれないが。

それ故英国人の食後の皿の上はなかなか食べ残しだらけである。



次に多いのが

「我が家ではいつもこうやって食べるからここでもそうしろ」


というスタイルの注文である。

「豚肉にはあのソースじゃなきゃ嫌」


だの

「魚はこういう風にカットしろ」


だのはっきり言って面倒臭いことこの上ない。

これが簡単に応じられるような注文なら問題はないのだが

正直実現不可能な要望も結構多く

全てのお客を満足させるにはどうしても限界がある。

例えばいきなり

「私、カレーにはコジェットを入れる派なの!」


と言われても、コジェットの備蓄がなければどうしようもないのだが

それを伝えると「でも私はそれが好きなの!」とごね出す客もいるのでややこしい。





そんなら自分で家で作れーーーー!







私は新しい味を開拓しにレストランに行く派なので

わざわざ自分好みにフルカスタマイズしたいという気持ちはさっぱり理解できない。






ちなみにそんな私の度胆を今までで一番抜いた注文は

『チキンサラダのチキンとピーマンと玉ねぎとトマトとキュウリ抜き、
カマンベールチーズとスモークサーモン、フライドポテト、ブドウを追加トッピング』


である。

別に『自分でカスタマイズできるサラダ』でもなんでもないのだが

そんなことはまるでお構いなし。

もはやここまで来ると専属のシェフでも雇った方が早いように思うのだが

自分で料理が出来ない英国人だからこそ起こる問題なのだろうか・・・・・。





しかしまぁ私としては

”チキンサラダのチキン抜き”の方が地味に気になって仕方なかった。




チキンもびっくりである。