せめてさわやかに ヤマユリのふりまく香りに 立ち止まると激しい思いに負けてしまいそうで 少年は黙って歩いていた。 雑木林が切り取った青い空をみあげて 少女も黙って歩いていた。 沈黙の中で絡みあう言葉を 風は聞いた。 ふたりが幼い日にピリオドを打つのを 風は息をひそめてみていた。 おやすみなさい