江戸末期に生まれ、明治に生きた諸戸清六。
歴史上の人物を取材する際、やはり伊勢神宮との関わりを探してしまう。
桑名の諸戸清六の店舗兼本宅は、揖斐川の河口に建つ。近くには七里の渡しがある。つまり、江戸時代の伊勢の国の玄関口にあたり、内宮の宇治橋にたつ大鳥居がリサイクルされて、そこに立っているのだ。
そして、清六の立派な建物の鬼瓦の一つが、不自然な方向に向いて置かれ、なにやら転げ落ちそうだ。実際に、落ちないように網で囲われている。
これは、伊勢神宮の方を向けて、鬼瓦を置いたもの。神宮への崇敬の念の表れ、いやいや、 「時間是金也」という清六のことだから、参拝に行かなくても、毎日拝んでいることになるとしているのだろうか。
清六流の神宮への崇敬に、憎めない人柄を感じた。