伊勢神宮の図書館といえばいいのだろうか、蔵書を収蔵する神宮文庫がある。
神職さんたちは「文庫」を呼ぶが、ここには重文指定を受けている古文書など、和とじの本がたくさん所蔵されている。
その前身が、内宮前にある「林崎文庫」という。
毎年春と秋には公開されるが、久しぶりに行ってきた。
駐車場から続く石段。ごつごつとした石段を登り切ると、立派な門があり、建物が建つ。車寄せの玄関に立つと、目の前に石蔵の書庫があった。ここに本が収蔵されていたのだ。
そして、渡り廊下を隔てて、講義が行われた畳敷きの講堂が続く。
明治以前は、伊勢参りをした学者たちはここに立ち寄り、講義をしたり、本を寄贈したりした。いわば、神宮の学問所である。
高台にあるせいか、参拝者の雑踏もここには届かない。
見学者も少なく、ただただ静かなときが流れていた。
司馬遼太郎の『街道をゆく、壱岐・対馬の道』に、
この神宮文庫についての記述がある。
司馬さんの古い友人に、伊勢の皇學館出身の人がいて、その人が司馬さんが知る唯一の壱岐の人という出だしであった。
そこには、
神宮皇學館は、神宮文庫の蔵書を基礎に明治15年に創立されたとある。昭和7年現在は10万冊を蔵し、そのうちの貴重本は1000部7000冊と、戦前の百科事典には載っているという。
神宮文庫が、大学の創立にも一役買っていたとは。。。
ちなみに、敗戦後、進駐軍に潰されたわずか3つの学校というのが、
陸軍士官学校、海軍兵学校、そして神宮皇學館という。