山形の友人、七宝作家の上沼緋佐子さんから、東京での個展を終えて、便りが届きました。
千種清美様
未曾有の大震災から20日間が過ぎました。震災直後3月15日・伊勢の親友が限りを尽くし確保してくれた航空券を手にして、たどり着いた山形空港は 被災地から脱出する 空席待ちの人々で混乱を極め 本当に自分は手にした航空券で飛んで良いのだろうか?と迷いましたが、飛んでしまいました・・・。 私は多くの意味で揺れ続けた個展会場に 会期中立ち続ける事が出来ました。あまりにも混乱、あるいは、閑散とした会場で 想定外の感動的な多くの出逢いに恵まれました。
無事帰宅致してからは、未曾有の災害に何も出来ない 自分の無力が私を苛みました。
一昨日、 渾身の想いで、鎮魂と復興への祈りを込めて 作品図案が描けました。
造る事の他に、なすすべも無い・・私の全てです。
日本橋高島屋美術部が[アンコール展示]をご用意下さいました。
・23年7月13日~7月15日・日本橋高島屋美術ステージ・
被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
上沼緋佐子
上沼さんの「アンコール展示」にエールを送ります。
今回のような国難に際して、神話が語ることがあります。
天照大神が伊勢に鎮座するのも、国民の半分近くが疫病で亡くなった、まさに国難の時。
祭事と政事が大王(天皇)によってなされていた古代では、尊い天照大神にさらなる聖地に鎮まっていただき、私たちを守っていただこうと、皇女の倭姫命が鎮座地を探すのです。そして天照大神に伊勢の地に鎮まってしただくと、国も平安になったというもの。
その巡幸では、大和で行われていた稲作も各地に伝授しました。つまり、命の糧である稲作りを人々に教えていき、国難から救ったことになります。
誰もが稲作を教えられるわけではありません。
それぞれが自分に出来ることをすれば、いいのだと思います。
上沼さんにとって今できることは、作品を造り続けることではないでしょうか。
