昼過ぎから、冷たい雨が降り続く。

雪にならないということは、これでも暖かいのだろうか。

雨音が響く。


今日は、新幹線車内誌『月刊ひととき』の取材で、松阪の本居宣長記念館へ行った。

連載の「伊勢、永遠の聖地」の来年度のテーマは、「伊勢を愛した人々」。

ちなみに4月号は西行で、5月号に本居宣長を取り上げる。



フリーライター・千種清美の伊勢通信-宣長記念館


旧知の吉田悦之館長に、宣長と伊勢神宮との関わりを伺えば、

驚くほど多岐にわたっていた。


原稿に書かない部分でいえば、

宣長は、神宮参拝以外にも、神官や御師に、門人がいたり、友人がいたりと、割合に伊勢にはよく行っていたようだ。


印象的だったのは、宣長は物語を大切にしていたということ。

『古事記伝』巻44を書き上げると、すぐに本居家の物語「家の昔ものがたり」を書き始めた。秋になると御師から御札と暦が送られてくるから、初穂料を届ける、注連縄はこように飾る、仏壇には何がまつられている、などのエピソードを一つひとつ書き綴っているらしい。


そういう物語こそが、語り継がれ、伝統を守る心ができてくると吉田館長はおっしゃった。ただ、宣長はフィクションではなく、一つひとつを問い合わせ、裏づけした物語を書いていたという。そこは学者の宣長だ。


拙著を読んでくださっていた吉田館長から、神宮の物語を紡ぎ、伝えることが大事だと、励ましていただいた。

宣長からのメッセージにも思えた。