「また悩みができました」と来る子
カウンセリングの場で、「また新しい悩みができました」と話す子がいます。
前に話していた悩みが落ち着いたかと思えば、
すぐに別の悩みを見つけてやってくる。
そんなとき、支援する側は思わず
「この子はどうしてこんなに悩み続けるんだろう?」と感じることがあります。
でも、そういう子の中には、「悩んでいたい」子もいるのです。
言い換えれば、「悩んでいる自分でいたい」子。
悩むことで、自分の存在を確かめている子たちです。
悩むことが“つながり”になっている場合
人は誰でも、誰かに話を聞いてもらうことで安心します。
特に、孤独を感じやすい子や自分に自信が持てない子にとって、
「悩みがある」ということは、誰かとつながれる理由でもあります。
悩みがある限り、話を聞いてもらえる。
悩みがある限り、誰かが自分を気にかけてくれる。
そんな「悩みを通したつながり」に支えられている子が、実はたくさんいます。
ある意味で、悩むことはその子なりの“安心のかたち”。
だから、悩みが消えることは、安心が失われることでもあるんです。
悩みを手放すのが怖い子もいる
ある女子生徒が、毎週のように相談に来ていました。
少しずつ笑顔が増えても、数日後にはまた新しい悩みを抱えてやってくる。
その姿を見ているうちに、ふと感じたことがありました。
――もしかしたらこの子は、悩みをなくしたくないのかもしれない。
悩みがなくなったら、もうここに来られなくなる。
もう誰も話を聞いてくれなくなる。
そう思うと、「悩みを持たないこと」がむしろ不安になるのです。
悩みは、その子が「安心を感じられる居場所」とつながるための橋のようなもの。
だから、無理にその橋を取り上げようとすると、
子どもはまた別の橋(新しい悩み)を作り出そうとするのかもしれません。
悩みの奥にある「ほんとうの気持ち」に心を傾ける
支援者ができることは、
「悩み」という言葉や現象そのものに反応することではありません。
その奥にある気持ち――つまり、
「この悩みを通して何を伝えたいのか」
「この悩みを抱えることで、どんな関係を求めているのか」
そこに心を傾けることが大切です。
心理学では「安全基地(アタッチメント)」という考え方があります。
人は、安心できる関係の中でこそ、自分の世界を広げていける。
保健室や相談室が“安心の基地”になっている子にとって、
悩みは、その基地とつながるためのチケットのようなものなのかもしれません。
だから、支援者にできるのは、悩みを急いで解決することではなく、
その子が安心して“基地”を使えるように関係を保つこと。
悩みがあってもなくても来られる場所――
その存在が、子どもにとっての支えになります。
言葉が“関係のルール”になることもある
保健室でも相談室でも、
つい「また何かあればいつでも話に来てね」と声をかけます。
その言葉には、“安心して使ってほしい”という思いが込められています。
けれど、もしその言葉が、
「何かがないと来ちゃいけない場所」と伝わってしまったら――。
子どもは、「悩みを持っていなければ、ここに来られない」と感じるかもしれません。
そう思うと、悩み続けることでしかつながれない、
そんな“見えないルール”を、私たちがつくってしまっているのかもしれない。
だからこそ、
「何かあってもなくても、話しにおいで」
「今日はどうしてるかなって思ってたよ」
そんな言葉を添えられたら、
“悩んでいなくてもつながっていていい関係”を子どもに渡せる気がします。
悩んでいる時間にも意味がある
悩むという行為そのものにも、ちゃんと意味があります。
それは
「自分の内側に耳を傾ける時間」。
「自分を見つめ直す準備期間」。
だから、支援者は“早く悩みを終わらせること”を目標にしなくていい。
「今、この子は悩むことで何を確かめているんだろう?」
そう問いながら、一緒にその時間を過ごしていけばいい。
悩んでいる時間も、その子の大切な“今”です。
「早く元気になってね」ではなく、
「そのままでも大丈夫だよ」と心を傾けて伝えること。
それが、悩んでいたい子に届くやさしさなのかもしれません。
🪞問いかけ
-
「この子は悩んでいたいのかも」と感じたこと、ありますか?
-
あなたがかけている言葉は、どんな“関係のルール”をつくっていますか?
-
「悩みの奥の気持ち」に心を傾けると、何が見えてくるでしょうか?
🌷今日できる小さな一歩
次に「また悩みができた」と話す子に出会ったら、
「そう感じるんだね」と、ただ受け止めてみましょう。
そして、もし言葉を添えるなら、
「何かあってもなくても、いつでもおいで」と伝えてみてください。
その一言が、子どもの“安心のルール”を変えていきます。
🪶noteもどうぞ
今日のサスケさん💕
仕事に行ってくるよーと声かけたら、コレww
かわいい💕

