あの時、わかろうとしなかった私

 

20数年前、私がまだ若い頃。
とある中学校に勤めていました。
 

 

 

よく保健室に来る子がいて、私によく懐いてくれていました。
 

 

小さなことを話しにきたり、ただ座ってぼんやりしていたり。

そんな日々がしばらく続いたある日、その子が勇気を出して話してくれました。

 

 

「自分の身体と心の変化が、どうしても受け入れられないんです」

 

 

私は一瞬、どう答えたらいいのかわかりませんでした。
 

 

そして、こう言ってしまったのです。
 

 

「思春期だから、いろいろ悩むよね」

 

 

 

その子は少しうつむいて黙ってしまいました。
私はそれを“思春期特有の迷い”だと自分に言い聞かせて、
そのまま深く聴かずに終わらせてしまいました。

 

 

それでも、その子はその後も保健室に顔を出してくれていました。
卒業してからも遊びに来てくれ、大人になっても連絡を取り合うほど。
 

 

関係はずっと続いています。
だからこそ、あの時の自分の言葉を思い出すたびに、
「もっと聴けたんじゃないか」と胸の奥がチクリと痛むのです。

 

 

 

 

 

 


「知らないこと」は悪くないけれど

 

あの頃は、性別違和なんてテレビで初めて知ったくらいで、
知識も経験もほとんどありませんでした。

 

 

けれど、今になって思うのです。
 

 

“知らなかった”ことそのものが悪いのではなく、
「わかろう」「知ろう」としなかった自分の姿勢が、
その子の思いに、ちゃんと触れられなかったのだと。

 

 

わからないままでも、「一緒に考えてみよう」と言えたはずです。
 

 

“知らない”ことを恥じるよりも、
“知ろうとしない”ことが、子どもの心の扉を閉ざしてしまう。
 

 

あの時の私は、自分の不安から逃げてしまっていました。

 

 

 


あの子が教えてくれたこと

 

大人になったその子と話すたびに、
「当時、先生がいたから学校に行けたんです」と言ってくれます。
 

 

その言葉を聞くたびに、胸がじんわりとあたたかくなります。

 

 

あの頃の私は、“聴けなかった自分”をずっと悔やんでいました。
 

 

 

でも今思うのです。
 

 

あの子が見せてくれた姿の中には、
“誰かにわかってほしい”という静かな願いがあったのだと。

 

 

たとえ十分に受け止められなかったとしても、
その子は私を信じて、保健室に足を運び続けてくれました。
 

 

その姿が、私に「関係は言葉だけでつくるものじゃない」と教えてくれました。

 

 

 

関係は、失敗しても、わからなくても、
“あきらめないで関わり続ける”中で深まっていく。
 

 

あの子とのつながりが、私にそれを気づかせてくれたのです。

 

 

 


今なら、こう聴けると思う

 

もし今、同じように打ち明けてくれる子がいたら、
きっとこう伝えます。

 

 

「教えてくれてありがとう。あなたの感じていることを、もう少し聴かせてね」

 

 

理解することよりも、まず「聴こうとすること」。
それが、相手に“ここにいてもいいんだ”という安心を届ける第一歩です。
 

 

完璧な答えがなくても、
「あなたのことを知りたい」という気持ちは、ちゃんと伝わります。

 

 

無知は罪ではありません。
けれど、知ろうとしない無関心は、子どもを深く傷つけます。
 

 

あの時の自分の戸惑いも、あの子の勇気も、
今の私を支えてくれているように感じます。

 

 

 


学び続ける大人でありたい

 

あの時の私は、「わからない」ことを怖がっていました。
 

 

けれど今は、その“わからなさ”こそが、子どもたちと向き合う出発点になると感じています。

 

 

 

私たちは、すべてを理解することはできません。
 

 

でも、「知ろう」と思って言葉をかけたり、
「あなたの気持ちを教えて」と耳を傾けたりすることなら、今すぐにできます。

 

 

学び続けるというのは、
知識を増やすことだけではなく、
その“ひとつの行動”を積み重ねていくこと。
 

 

子どもが何かを話してくれた時に、
すぐに答えようとせず「そう感じているんだね」と受けとめる。
 

 

それもまた、立派な“学び”のかたちです。

 

 

 

哲学者ソクラテスはこう言いました。

 

 

「自分が何も知らないと知っている人こそ、最も賢い。」

 

 

あの時の私は、“知らない自分”を受け入れる勇気がなかったのかもしれません。
 

 

だからこそ今は、「知らない」を恐れず、「知ろう」とし続けたいと思うのです。

 

 

 

あの出会いは、私に“学び続けることの意味”を教えてくれた大切な贈り物です。
そして今も、その想いが私を前に進ませてくれています。

 

 

 


💭問いかけ

  • 子どもに「わからない」と言われたとき、あなたはどう応えていますか?

  • 「知ろうとする姿勢」を、どんな形で子どもに見せていますか?

  • あなたにとって“学び続ける”とは、どんなことですか?

 

 

 


 

 

 

🌱今日できる小さな一歩
 

子どもに関することで“わからない”と思うテーマを一つ選び、
信頼できる本や人に触れてみましょう。
 

 

「知る」ことは、子どもを理解するためのやさしい行動のひとつです。

 

 

 


 

 

 

✉️noteもどうぞ

 

 

➤こちらから

 

 

 

 

 

 

 

今日のサスケさん💕

今日も今日とて道草を食うw

かわいい💕