「配慮はしない」の本当の意味
先日、母と食事をしたときに聴いた話がとても印象に残っています。
母が参加した講演会の講師は、全盲の弁護士さんでした。
生まれつきではなく、途中で視力を失った方だそうです。
盲学校で学びながら、多くの同級生が鍼灸などの進路を選ぶ中、
その方はアメリカに留学して弁護士になる道を選びました。
そこで留学先の大学側から言われたのは
「あなたに特別な配慮はしない」という言葉。
最初は冷たく聞こえますよね。でも、その意味は違っていました。
「配慮は大学側が一方的に決めるものではなく、あなたが必要なことを教えてくれたら、その対応をしますよ」という姿勢だったのです。
つまり、相手の立場を勝手に想像して「こうしてあげよう」と動くのではなく、
本人に「何が必要?」と問い、そこからサポートを一緒につくる。
その対等な関わりが、その方の学びと成長を支えていたのだと感じました。
子どもに関わる大人に必要な視点
この話を母と分かち合いながら、
「これは、子どもと関わるどんな場面にも通じることだな」と思いました。
大人はどうしても「子どものため」と思って先回りしてしまいがちです。
「こうした方が効率的だから」「きっとこの方が助かるだろう」と。
でも、それは本当に子どもが望んでいることでしょうか?
私がスクールカウンセラーとして関わる中でも、
先生や親御さんは「じゃあこうします!」と素早く動いてくれることがあります。
その姿勢はとても素敵です。けれど私は、こんな声かけをすることがあります。
「そのこと、生徒がしてほしいって言っていましたか?」
その一言に、先生や親御さんがハッとすることがよくあります。
「あ、まだ聞いていなかった」と。
大人の思いやりからの行動でも、子どもの声を聴かずに進めてしまうと、
子どもの選択や経験を奪ってしまうことがあるのです。
聴くことから始まる成長
心理学者アドラーは「課題の分離」という考え方を提唱しました。
簡単に言えば「これは誰の課題か」を明確にすることです。
子どもの課題を大人が代わりに背負い込むと、子どもは「自分の課題に責任を持つ」経験を奪われてしまいます。
だからこそ、大人ができることは先に道を整えることではなく、
まず「あなたはどう思う?」「どんなことをしてほしい?」と耳を傾けること。
そのやりとりを通して、子どもは「自分の気持ちを伝える練習」ができますし、
「自分で選んだことを経験する力」も育っていきます。
実際に、子ども自身の声を聴いてもらえたとき、
表情が柔らかくなったり安心したように話し始めたりする姿を何度も見てきました。
その瞬間「ああ、この子は“自分が尊重された”と感じているんだな」と思うのです。
効率よりも、経験を
大人からすれば「こっちの方が早い」「効率的だ」と思うこともあります。
けれども、子どもとの関わりは効率だけで測れるものではありません。
時間がかかったとしても、子どもが自分の声を聴いてもらい
自分の選択で経験を積むことは何よりの学びになります。
全盲の弁護士さんの言葉は、障害のある方への配慮の話でありながら、同時にすべての子どもへの関わりに通じるものだと思います。
大人が勝手に「こうしてあげよう」と決めるのではなく
「何が必要?」と聴いてから伴走する。
その姿勢こそが、子どもの力を引き出していくのだと思います。
今日の問いかけ
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あなたは最近、子どもの「してほしいこと」を直接聴いたことがありますか?
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「よかれと思って」先回りしたけれど、実は聴けば違った答えが返ってきた、そんな経験はありますか?
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子どもの声を聴くために、どんな言葉をかけてみたいですか?
今日できる小さな一歩
子どもに「今、してほしいことはある?」と、シンプルに聞いてみましょう。
答えが「特にない」でもOK。
そのやりとり自体が、子どもにとって「自分の声を聴いてもらえた」経験になります。
noteもどうぞ
子どもとの関わりや日常の気づきを、もう少し深く読みたい方はこちらからどうぞ。
今日のサスケさん💕
お散歩途中に、道の向こう側に大好きな人を発見💡
かわいい💕

