「困ったら相談してね」の前にある壁

 

高校生と話しているときに、こんな言葉を聞きました。

 


「困ったら相談しろって言うけど、相談できないから困ってるんだよ。」

 

 

その瞬間、私はハッとしました。

 

大人はつい「困ったら相談してね」と声をかけます。

でも、その言葉の裏には「相談できる相手がどこかにいる」という前提があります。

 

 

ですが、子どもたちにとっては「そもそもこの人に相談して大丈夫?」という不安が大きく立ちはだかっている。

 

 

まずは、その前提が整っているかどうかを考えなければなりません。

 

 

 

 

 


信頼の土台は“子どもの権利”

 

その高校生はこう言いました。
 

 

「先生とか、子どもの身近にいる職業の人たちは、せめて話を聴くための技術を学んでほしい。」

 

 

子どもにとって相談できる相手とは

きちんと最後まで話を聴いてくれる人、受け止めてくれる人。

だからこそ、聴くためのスキルや態度が必要だ――そう教えてくれたのです。

 

 

 

けれどその生徒は、さらに続けました。
 

 

「その前提のさらに前提として、子どもをちゃんと一人の人として扱ってほしい。」

 

 

私はこの言葉にドキッとしました。
 

 

大人は「どう聴くか」「どう受け止めるか」といった技術や態度を一生懸命に学ぼうとします。

けれど、その手前にある「子どもを人として尊重する」という視点をどれだけ本気で大切にできているでしょうか。

 

 

 

国連の「子どもの権利条約」には、子どもは大人と同じ一人の人として尊重される存在であることが明記されています。

特に第12条には「子どもは自分に関わることについて意見を表す権利を持ち、その意見は十分に尊重されるべきである」と書かれています。
 

 

つまり、子どもを対等な人として扱い、意見を聴き、尊重することは国際的にも認められた当然の権利なのです。

 

 

 

でも現実には、「子どもだからまだ分からないでしょ」と軽く扱ったり、

大人の都合で言葉を切ってしまったりすることが少なくありません。

 

だからこそ、この高校生の声は私たちに問いかけています。

 

 

「あなたは子どもを一人の人として扱えていますか?」

 

 

 


「関係性を横に置く」と見えてくるもの

 

私は関わるとき、意識的に「関係性をいったん横に置く」ようにしています。
 

 

もちろん私はカウンセラーとして仕事をしています。

けれど「カウンセラーだからこうしなきゃ」とマニュアルに縛られて聴くのではなく、「この子はいま、どんなことを考えているんだろう?」 という気持ちで耳を傾けています。

 

 

そうやって聴くと、子どもたちから返ってくる言葉が変わります。
“相談を受けている”というより、“一緒に解決していこう”とする協力者のような関係になるのです。
 

 

その瞬間、子どもは「聞かれている」のではなく「共に考えてくれている」と感じ、安心して本音を話してくれるようになります。

 

 

 


嘘をつかないことが、信頼につながる

 

そしてもうひとつ大事にしているのは、嘘をつかないことです。

 

 

ある生徒に、私はこう伝えたことがあります。
 

 

「私は、学校は命を削ってまで来る場所じゃないと思うよ。

でも、あなたが学校に来てくれないと、私はあなたに会えないからさみしい。」

 

 

一見、矛盾しているように聞こえる言葉かもしれません。
でも、それが私の正直な気持ちでした。

 

 

無理して来なくてもいい、けれどあなたに会いたい――その両方が本当の思いだったのです。

 

 

その子とは、ずっと関係を積み重ねてきた間柄です。

だからこそ、この言葉を受け取ってもらえたのかもしれません。
 

 

でも、たしかに本音を伝えた時にハッとしたような表情を見せてくれ、

そこから新しい対話が始まりました。

 

 

大人が自分の言葉で素直に関わると、子どもは「この人は本音で向き合ってくれる人なんだ」と感じてくれます。
 

 

信頼は立派なアドバイスや知識からではなく、嘘のないやり取りから生まれるのです。

 

 

 


「できているつもり」を手放してみよう

 

「子どもを一人の人として尊重すること」。

 

 

言葉にすれば当たり前のように聞こえます。
 

 

でも、日常を振り返ると「できているつもり」になってしまっていることが少なくありません。

 

 

たとえば、最後まで聴く前にアドバイスに切り替えてしまったり

子どもが黙っていると「分かっていない」と決めつけてしまったり。

心配だからと質問攻めにしてしまうこともあるでしょう。
 

 

私自身、そうした関わりを無意識にしてしまったことがありました。

 

 

だからこそ、まずは立ち止まって「本当に尊重できているだろうか」と振り返ることが大切なのだと思います。
 

 

できているつもりを一つ手放すだけで、

子どもの「相談してみようかな」という気持ちが生まれるかもしれません。

 

 

 


今日の問いかけ

  • あなたは子どもと向き合うとき、「この子のことを知りたい」と思って耳を傾けていますか?

  • 「相談してね」と言う前に、今日ひとつだけでも自分の本音(感想)を伝えてみるとしたら、どんな一言を選びますか?

  • 子どもと話す中で、自分が「できているつもり」になっている部分はどこにあるでしょうか?

 

 

 


 

 

 

今日できる小さな一歩

 

子どもと話すとき、まずは立場を横に置いて「自分の感想」をひとつだけ伝えてみましょう。
 

 

「へえ、そうなんだね。私はこう感じたよ」――そんな短くて正直な言葉が、信頼の入口になります。

 

 

 


noteもどうぞ

子どもとの関わりに悩む大人へ、日常ですぐに使えるヒントをお届けしています。

ぜひフォローして読んでみてくださいね。

 

➤こちらから

 

 

 

 

 

 

(6年前の)今日のサスケさん💕

あらあら。すごい寝相ww

かわいすぎる💕