高校生が授業のあとに残した「もっと知りたいこと」

 

夏休み前に授業をした高校から、400人分の感想が届きました。
 

 

分厚い封筒を手にしたときは「どんな声が入ってるんだろう」とドキドキ。

読み進めるうちに「ああ、こんなふうに受け止めてくれたんだ」とうれしくなりました。

 

 

 

今回のテーマは「触れる」。

 

 

性的同意や交際、妊娠や出産について話したのですが、

「知らなかったことを学べた」「これからの生活に生かしたい」という声がたくさんありました。
 

 

やっぱり子どもたちは、大人が思っている以上に真剣に聞いてくれているんだなあと実感しました。

 

 

 

でもさらに「そうなんだ!」と驚かされたのは、

「もっと知りたいこと」「ほかに聞いてみたいこと」に書かれていた言葉でした。

 

 

 

 

 

 


高校生が知りたがっているのは「人間関係のこと」

 

感想をひとつひとつ読んでいくと、多くの生徒が挙げていたのは「人間関係」のことでした。

 

  • パーソナルスペースについてもっと知りたい

  • 人との距離感について学びたい

  • 交際するときのマナーや気をつけることを教えてほしい

  • 異性がどんなことを考えているのか知りたい

 

どれも“人とどう関わればいいか”に直結するものです。
 

 

さらに「心のこと」「心理学のこと」「デートDV」「生理」などのテーマもあがっていました。

 

 

 

読みながら私は感心しました。
 

 

高校生は性のことを真剣に考えていて、「もっと人とつながりたい」「もっと人のことをわかりたい」とちゃんと願っているんだなあと。

 

 

 


「触れる」がきっかけになった

 

今回の授業で私が伝えたのは、「触れる=ただの身体的な行為」ではない、ということでした。
 

 

境界線を知ること。

自分の存在を感じること。

そして相手とつながること。

 

 

そんな観点で「触れる」というテーマを扱ったのです。

 

 

 

だからこそ生徒たちは、「距離感を学びたい」「マナーを知りたい」「相手の気持ちを知りたい」と、自分の人間関係に置き換えて考えたのではないでしょうか。

 

 

人間関係って、一生つづく永遠のテーマです。

けれど日常の中で、それをじっくり考えるきっかけはなかなかありません。
 

 

だから私は「知識を教えること以上に、“自分ごと”として考えられる入口を渡すことこそ大事なんだ」とあらためて思いました。

 

 

 


学ぶ場がないから、手探りになっている

 

けれども、人との距離感や気持ちのやり取りについて、体系的に学ぶ場はほとんどありません。
 

 

子どもたちは友達や周囲との関わりの中で、失敗したり悩んだりしながら身につけていくしかないのが現実です。

 

 

「知りたいのに、教えてもらえない」──そんなもどかしさが、感想の中からにじんでいました。
 

 

 

もし安心して学べる場があれば、もっとスムーズに、もっと楽に人と関われるようになるのかもしれません。

 

 

 

心理学者アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と語っています。

まさに思春期の子どもたちにとって、人との関係は日々を左右する大きなテーマです。

 

 

そして近年注目されているSEL(社会的情動的学習)でも、

人との関わりは「学べるスキル」であることが示されています。

 

感情に気づくこと、行動を選ぶこと、相手を理解すること──

どれも経験や練習で育てられるものです。
 

 

「性格だから仕方ない」ではなく、「学べば上達するもの」なんです。

 

 

それなのに、子どもたちにそのことを伝える大人がほとんどいない。
私はそこに一番のもどかしさを感じました。

 

 

だからこそ、子どもたちが「もっと知りたい」と声をあげた今、その声を大人がどう受け止めるかが大切なんです。

 

 

 


大人にできること

 

子どもが悩んだり困ったりしているとき、まずは話を聴いてあげること。
 

 

そのうえで、大人自身の考えを伝えてみることも大切です。

 

 

 

そしてもうひとつ。

大人だって人間関係に悩む存在だということを忘れないでいたいと思います。
むしろ失敗の数なら、大人のほうがたくさん持っているはずです。
 

 

だから「私も人間関係で失敗してきたよ」「今も悩むことあるよ」と正直に話すことが、子どもに安心を与えることもあるんじゃないでしょうか。

 

 

 

「人間関係を学びたい」という声が出ている以上、大人には応える責任があります。
 

でもそれは“教えなきゃいけない”という義務ではなく、「一緒に考えてみよう」と寄り添うことから始められるはずです。
 

 

大人も学び直しながら、子どもと一緒に歩んでいく。

そこに、大きな意味があるのだと思います。

 

 

高校生の本当の声を知った今、大人には何ができるのでしょうか。

私は、誠実にこの声に応え続けていきたいと思います。

 

 

 


今日の問いかけ

  • あなたのまわりの子どもはどんな「もっと知りたい」を抱えていますか?

  • その声を聴いたとき、あなたはどんなふうに応えてあげたいですか?

  • 大人も「人間関係」を学び直すとしたら、どんなテーマに関心がありますか?

 

 

 


 

 

 

今日できる小さな一歩

子どもとの会話の中で、「友達との距離って難しい?」と軽く聞いてみる。
どんな答えが返ってきても「そうなんだね」と受け止めることから始めてみましょう。

 

 

 


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