保健室で聞いた一言

 

中学校で養護教諭をしていた頃

保健室によく来ていた女の子がいました。
 

 

ある日の昼休み、ソファに腰を下ろすとぽつりとつぶやいたのです。

 

 

「もう、まじめに教室に行ったり勉強したりしない」

 

 

その言葉に、私は耳を疑いました。
 

 

小学校の頃は“まじめでいい子”だったと聞いていた子。
だからこそ、周りの子どもたちも先生たちも

「どうして?」「急に変わった!」と驚いていました。

 

 

 

でも、実際には“突然”ではなかったのです。
少しずつ積み重なった思いがありました。

 

 

 

 


彼女が話してくれたこと

 

関係が深まるにつれて

彼女は中学に入ってからの出来事を少しずつ話してくれました。
 

 

一番ショックだったのは、掃除の時間のことだったそうです。

 

 

「私、ちゃんと隅まで掃除してたの。

ほうきで何度も掃いて、机の下も全部きれいにしてたら時間がかかっちゃって…」

 

 

そこで彼女の声が小さくなりました。

 

 

「先生には“遅い”って言われたの。
それに、友達からも“掃除なんて適当にやっておけばいいのに”って笑われて…」

 

 

最後まできれいにしたはずなのに、まるで悪いことをしたみたいに見られた。
その瞬間、彼女の中で「まじめにやること」が意味をなくしてしまったのです。

 

 

 


「いい子」をやめるという防衛

 

「先生は結局、ちゃんと見てないんじゃないの?」
「頑張っても意味ないんじゃない?」

 

 

そうした思いが積もり積もって、彼女は「いい子でいるのをやめる」と決めました。

 

 

でも、大人の前だけ“いい子”を演じることはできません。
だから、教室に行かず保健室に来るようになり

周りからは「まじめだったのに悪い子になった」と見られてしまったのです。

 

 

 

けれどその変化は、怠けや反抗ではありません。
「もう傷つきたくない」という、心を守るための防衛でした。

 

 

 


大人は子どもの何を見ている?

 

この出来事を通して、私は考えさせられました。
 

 

大人は子どものどこを見ているのでしょうか。

テストの点?
目に見える成果?
 

 

それとも、その子がそこにたどりつくまでの努力や工夫、思いでしょうか。

 

 

 

一生懸命にやっている子ほど、報われない経験に傷つきやすい。
「どうせ見てもらえない」――そう思ったとき、心の糸は切れてしまいます。

 

 

 


子どもの“過程”に問いを持つ

 

一生懸命にまじめにやっている子って、実は一番目立たないのかもしれません。
 

 

悪い子は目立つし、要領のいい子も注目されやすい。
 

 

でも、コツコツ頑張っている子は

大人の目からすり抜けてしまうことがあります。

 

 

そんなとき、自分自身にこんな問いを持ってみてください。

 

 

  • この子はどんな工夫をしているだろう?

  • この子はどんな気持ちで取り組んでいるだろう?

  • この子が本当に伝えたいことは何だろう?

 

 

 


 

 

 

見方が変わると、関わりも変わる

 

この問いを持つだけで、子どもへの関心が今までよりも強くなります。
 

 

関心をもって目の前の子どもを見るからこそ

見えるものが変わってくるのです。
 

 

結果や態度だけではなく

その子の小さな努力や心の動きにも自然と目が届くようになります。

 

 

 


言葉かけが変わると、子どもは安心する

 

そして、かける言葉も自然に変わっていきます。
 

 

「えらいね」ではなく――

 

 

「丁寧にやろうっていう気持ち、伝わってきたよ」
「大変だったのに、最後まで続けたんだね」
「あなたがいてくれると安心するよ」

 

 

ときには質問の形にしてもいいかもしれません。
 

 

「どこを工夫したの?」
「やってみてどう感じた?」

 

 

あるいは未来につなげるように、
 

 

「この丁寧さは、これからもきっと役立つよ」
 

 

と伝えるのもいいでしょう。

 

 

 

結果を評価する言葉ではなく、気持ちや存在を認める言葉。
 

 

そんな言葉は、子どもに「ちゃんと見てもらえている」という安心を届けます。
それだけで次の一歩を踏み出す力になるのです。

 

 

 


今日の問いかけ

 

あなたは今、目の前の子どもの「どんな姿」に注目していますか?
結果だけ? それとも、その子なりの努力や思いにも目を向けていますか?

 

 

 


 

 

 

今日できる小さな一歩

 

子どもの行動を見たとき

ひとつでいいので“結果以外のこと”を見つけて言葉にしてみましょう。
 

 

「丁寧にやってたね」

「最後まで続けたね」

 

 

――そんな一言が、その子にとっての大きな支えになります。

 

 

 


 

 

 

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今日のサスケさん💕

ハート♡の形の盆栽に興味津々🩷

かわいい💕