あるきっかけで、以下に紹介する曲を聴く機会がありました。
これを聴いて、私は、とても驚きました。
これは日本に起きた、「音楽演奏における1つの奇蹟」ではないか、と。
何が?・・・彼女がこのような演奏ができるまでに、上達したことが、です。
NHKのバニラムードの時から耳にしていましたから、実力は知っているつもりでした。
まさか、「彼女のバイオリンに聴き入り感動する」日が来るとは思っていなかったので。
2008年段階での録音で、ここまで成長していたとは・・・。
今は結婚もして女児を出産していますね。

恐らく、普通の人では起こらないレベルの変化だと思う、その理由を以下に記します。

TBS「THE世界遺産」のエンディング曲。「地球上の子供たち」
作曲者:服部隆之



そもそも、バイオリンは、悪魔の楽器的な要素が強いものです。
たとえるならば、よほど深く愛さないと棘で痛く刺されてしまう「我が儘な薔薇の妖精的な貴婦人」のようなものです。
バイオリンはフレットレスなので、1音1音全部「自力の音感」で設定して行かねばなりません。間違った場所を押さえれば、即座にはずれた音になります。
また、練習で培った硬く硬化した指がないと、弦が鳴りません。練習を怠ったフニャ指だと途端にキタナイ音になります。

宮本笑里がここまで美しい音色で奏でられるようになるには、どれほど練習したのでしょうか。そして、その練習方法が、如何に「適切なもの」だったことでしょうか。
「才能ない」は禁句だというのが、音楽の超エリートである父親の教育方針だそうで、素晴らしいことです。
まさに、鈴木メソッドや、RyuU'sメソッドの精神に合致する「信念」です。

普通の才能の人は、「我が儘で悪魔的な薔薇の妖精」の如きバイオリンは、選択しない方が良い楽器です。「労多くして実り少ない」からです。
よほど愛して深く研鑽しないと、良い音で鳴ってくれないからです。

響晋太郎氏(毎日学生音楽コンクール全国優勝 東京芸大卒)スタジオ・ミュージシャンの演奏


長く演奏している人でも、音色としては、このぐらいの場合が多いわけですから。
つまり、バイオリンは、初心者の「ギーコ、ギーコ」的なキタナイ音色から脱却するのが、とてもむずかしい楽器なのです。ヘタすると、一生ギーコギーコです。

その点、宮本笑里のこの曲の音色は、感情の込め方といい、反復して聴くのに十分耐える、「聴き入れる美しい音色の演奏」になっています。
どのような練習を積んだのか、わかりませんが、「やればできる」ことの証明です。
が、それにしても、これは、奇蹟ですね。
「経験豊かで厳しい音楽エリートの父親」という「恵まれた教育環境」と「本人の素直な努力」が起こした奇蹟ですね。