がん治療に使われる再利用薬とは | みのり先生の診察室

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イベルメクチンやメベンダゾール、メトホルミンなどが癌治療に再利用薬として注目を集めています。

 

もともと別の病気・目的で開発・承認された薬を、他の疾患の治療に転用して使う薬のことで、英語では ドラッグ・リポジショニング(drug repositioning / repurposing) とも呼ばれます。

 

新薬ではないので、既に安全性や副作用のデータがあるというメリットと、ゼロから薬を作るより早く臨床応用できるので開発期間・コストが少なくすむというメリットもあります。

 

実際に、保険適用外で使われる場合もあれば、新たに適応が正式承認されることもありました。

 

実際の代表的な例として

アスピリン
解熱鎮痛薬 → 血栓予防薬

ミノキシジル
高血圧治療薬 → 発毛剤

メトホルミン
糖尿病薬 → がん予防・抗老化研究

サリドマイド
睡眠薬 → 多発性骨髄腫治療薬

 

などがあります。

 

 

最近、再利用薬として癌治療への使用が検討されている既存薬がいくつかあります。

 

糖尿病の薬メトホルミン

 

寄生虫治療薬のイベルメクチン、メベンダゾール

 

マラリア治療薬のアルテスネイト

 

抗真菌薬のイトラコナゾール

 

抗菌薬のドキシサイクリン

 

などに、細胞の増殖を抑制する作用があることが分かりました。

 

 

これらの薬は長年、臨床現場で使われてきており副作用や相互作用のデータが豊富です。

 

次のような利点があります。

 

・未知のリスクが少なく、安全性試験を省略できる

 

・製造・流通体制が整っている

 

・特許が切れていれば安価になる

 

 

このような利点があっても再利用薬は標準治療に使われない理由は明確で、保険適用するのに莫大な費用がかかるからです。

 

その費用を確実に回収できる「特許によって独占販売が可能な新薬」でなければ製薬会社は臨床試験を実施しません。

 

だから古い薬は効果があると分かっていても保険適用され標準治療として使われることはないのです。

 

保険診療では疾患に対して保険適用されている医薬品しか使用できません。

 

だから保険診療で癌に対してイベルメクチンを処方できないのです。

 

自由診療を行う医療機関では、保険適応外の薬を医師の裁量で使用することができます。

 

 

現在使われているメジャーな抗癌剤の多くは50年以上も前に開発されたものです。

 

最近、分子標的薬なども登場しましたが、期待されたほどの効果は得られていません。

 

そこで安価な再利用薬との組み合わせで抗腫瘍効果を高めようという動きが広がってきました。

 

標準治療に再利用薬を組み合わせるというものです。

 

標準治療を否定するものではなく、補完するという考え方。

 

まさしく私の治療方針と合致します。

 

例えば糖尿病治療薬のメトホルミンは癌細胞のエネルギー産生を低下させ、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して物質合成を低下させます。

 

メトホルミン単独では癌細胞を死滅させることはできませんが、抗癌剤の効き目を増強します。

 

 

またマラリア治療薬のアルテスネイトはマラリア原虫を死滅させるのと同じように鉄介在性の細胞死を誘導して癌細胞を死滅させます。

 

イベルメクチンは多くの実験で癌細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導、血管新生阻害作用や抗腫瘍免疫を高める効果などが報告されています。

 

イトラコナゾールは真菌の薬ですが、血管新生阻害作用や細胞増殖のシグナル伝達系を阻害する作用が報告されています。

 

ドキシサイクリンは細菌のリボソームを阻害して抗菌作用を発揮する抗生物質ですが、ミトコンドリアのリボソームの働きを阻害する副作用を持ち、この作用が癌治療に利用できます。

 

 

以上のように癌治療に再利用薬が用いられる根拠はたくさんあって、実際に臨床現場で使われており、その結果は論文としてもたくさん発表されています。

 

PubMedで「イベルメクチン 癌治療」と検索するだけで300件以上の論文がヒットします。

 

興味ある方は是非とも検索して論文を読んでみて下さい。

 

 

私のブログでも論文をいくつかご紹介していきます。

 

専門的な内容になりますが陰謀論と言われないためにもお伝えしていきたいと思います。

 

 

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