四国が梅雨入りした日曜日。

 

朝からかなりの雨が降って

 

母の散歩は無理そうな感じでした。

 

でも午後になって小降りになり

 

ほとんどやんだんです。

 

空は分厚い雲がどんよりだから

 

また降りそうだけど

 

天気予報が勝つか

 

私の直感が勝つか

 

賭けてみるのも面白い。

 

そう思って出かけました。

 

でも運転中にまた降り始めて

 

こりゃ私の負けだ。

 

引き返そうかな~と迷いつつ

 

顔を見るだけでも良かろうと行きました。

 

幸い小雨は降っているものの

 

傘なしでも平気なレベル。

 

ほんの数分でも母を外気に触れさせよう。

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私はカッパ。

 

母には傘。

 

「雨な?なんで濡れんのやろ」

 

「傘さしとるからやろ」

 

「あ~傘さしとったか。気がつかんかった」

 

母は傘を見上げてさすがに苦笑。

 

「けど、あんた濡れるやろ」

 

「私はカッパ着とるから濡れん」

 

「あ~ほうな」

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「あれ蓮華の花な?」

 

「ちがう。クローバの花や」

 

「あ~クローバか」

 

そして

 

「雨が降りよんやの。あんた濡れるやろ」

 

私が濡れるのではないかと気に掛ける。

 

数分後にふたたび

 

「雨やのに散歩やせんでも。あんた濡れるやろ」

 

同じ会話の繰り返し。

 

「濡れん。カッパ着とるから大丈夫や」

 

私は登山用の本格的なカッパを着てるから

 

しっかり守られているんです。

 

フードをかぶった姿を母に見せても

 

「あ~ほんまや」

 

その時は納得してもすぐに忘れる。

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花にも反応しているけれど

 

数分おきに「あんた濡れるやろ」が来る。

 

私を心配するのはわかるけど

 

これでは施設のスタッフさんイライラするだろう。

 

この一週間で母の認知症は急に進んだ。

 

そう思った。

 

ここまで同じ会話を繰り返したのは初めて。

 

今までは

 

「認知症」という言葉がほとんど他人事で

 

まったくピンとこなかったけど

 

今回はじめて母は認知症だと思いました。

 

何かが完全におかしくなってる。

 

それなのに

 

それにもかかわらず

 

私を気づかう気持ちは残っている。

 

認知力や記憶力は低下しても

 

愛情は消えない。

 

ちょっと感動したのでした。