イスラエルとパレスチナの紛争、現地に友人もいるため、心配ですし、心が痛みます。

 

複雑なパレスチナ問題を考えるときに思い出すのは、2012年にエストニアで開催された国際学会での会話です。

 

困難を乗り越える力として知られる「Sense of Coherence (SOC)」を発見・解説した故アーロン・アントノフスキー博士の共同研究者だったシフラ・サギー先生(写真中央)と、その教え子の先生(左)の研究によると、イスラエルに住むアラブ(パレスチナ)女性では、高学歴の人ほどSOCが低かったといいます。

 

 

通常は、学歴が高い方がSOCも高いことが、わが国を含め、多くの研究で確認されているため、イスラエルに住むアラブ女性では逆だったことが興味深く、その理由について、会話を通して理解を深めたのです。

 

サギ―先生たちは、

「高い教育を受けた結果、広い視野を持ち、洞察を深めるようになったことが、宗教的にも民族的にもマイノリティーで、さらに男尊女卑の文化の中でアラブ女性が生きていく場合、かえってSOCを高めるような良質な経験を積みにくくするのかもしれない」

と考察されていました。

 

個人(のSOC)と社会は切り離せないからこそ、その人が身を置いている社会を理解することが重要で、SOCは心理学ではなく、健康社会学から生まれ、発展したのだ――。

と、改めてその意義を実感したことが思い出されます。

 

この研究は、イスラエルに住むユダヤ人とアラブ人の異民族の研究者による共同研究だったのですが、現状を見ると、その素晴らしさに気づきます。

 

戦いや排除ではなく、ダイバーシティや共存・協力から生まれる発見と創造こそが、真の解決につながる道なのだと思います。

 

さいごに、アラブ女性に限らず、わが国も男女格差の大きな国です(日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で、多くの中東諸国の少し上といったレベルです)。

 

コロナで女性の自殺や貧困等の問題が浮き彫りになりましたが、その一因は社会にあります。

 

女性のメンタルヘルスや健康支援対策を考える上で、日本社会を理解することは欠かせません。

女性を取り巻く社会経済文化的要因を理解した上で、SOCを育むような方策を考えていく必要があるのです。

 

そこで、10月29日(日)に、『プレコンセプションケアや女性の健康支援対策の探究:SOCの視点から』というテーマの少人数制サロン型セミナーを大阪で開催いたしますので、ご興味のある方はお越しください。

 

詳細 → エビーナサロン

 

 

SOCについては、以下の4冊の著書があります。よろしければご一読ください。