9月30日(ブルームバーグ):米国の保険市場で1世紀余りにわたり競合してきたプルデンシャル・ファイナンシャル とメットライフ は、アメリカン・インターナショナル・グループ (AIG)による部門売却により、日本でもしのぎを削ることになる。
事情に詳しい関係者3人が29日に明らかにしたところによると、1987年に日本に参入したプルデンシャルは、AIGスター生命保険とAIGエジソン生命保険を48億ドル(約4000億円)で買収する計画だ。メットライフはAIG傘下だったアメリカン・ライフ・インシュアランス(アリコ)の買収(155億 ドル)を11月1日に完了する見通し。金融危機の最悪期をうまくかわしたプルデンシャルとメットライフは、政府の救済を受けた競合企業が撤退する中で世界2位の生命保険市場である日本での事業を拡大する。
プルデンシャルのジョン・ストラングフェルド 最高経営責任者(CEO)にとっては2008年の就任以降、日本で2回目の買収となる。日本事業は既にプルデンシャルの総収入の2割強を占めている。メットライフのロバート・ヘンリクソン CEOは、日本で年間70億ドル強の総収入を計上しているアリコを買収し、米国外事業を強化する。同社の米国外事業の09年総収入は55億ドルだった。
両社の投資判断を「アウトパフォーム」としているFBRキャピタル・マーケッツのアナリスト、ランディ・ビナー 氏は「メットライフが行っている買収はリスクが高めだろうが、見返りも比較的大きい」と指摘。「プルデンシャルの方はホームランなどを期待できないだろうが、うまく執行できる可能性ははるかに高い」との見方を示した。
関係者らによると、米生保2位のプルデンシャルは現金でAIGの部門買収を行う。交渉は非公開だとして関係者らは匿名を条件に明らかにした。AIGの
4-6月(第2四半期)決算報告に示された同事業の評価額を基にすると、プルデンシャルはスターとエジソンの資産から負債を差し引いた純資産に近い金額を支払うとみられる。一方のメットライフは、AIGが8月に示したアリコの評価額128億ドルを基にすれば、純資産の約1.2倍を支払うことになる。
(9月30日 ブルームバーグ)
買収が完了すれば、プルデンシャルとメットライフの日本市場への攻略がさらに加速されると見られる。高齢化&少子化に伴い死亡保障のニーズはあるものの、販売が減退し、第三分野と言われている医療保険、所得補償保険、がん保険などの分野での国内生保との販売競争が激化するものと想像される。新しい分野の商品開発も、日本の市場状況をみながら進めて来るものと思われるが、販売チャネルの拡充も同時に行われそうである。インターネット販売の生保、損保にはネットが使えない層には、あるいは、ネットの作業が面倒臭くなった人間にとってはマーケットが伸びて行かないというデメリットがある。そして、人間は、保険を使うときは、弱った時であり、必ず若いままではなく、最後は年をとって、身体の機能が衰えて死ぬのであり、そういう時に死亡保険金や医療給付金を請求する訳であるので、ネットや電話だけのやり取りで果たして手続きがスムースに進むのかと言う疑問がある。こういうネット販売のウィークポイントを販売代理店は突いて販路を拡張していくのであろう。加入者全員が若くて元気なうちに亡くなる筈はなく、そういうことが起きてしまったら、保険会社は、死差益の大幅悪化で下手をすると潰れてしまうかもしれない。
高齢化の波が始まった日本での新たな二つの外資系生保の動きが見守られる。こういう社会に突入して行くにあたって、必要なのは、丁寧な専門的資格を持ったアドバイザーなのである。安い掛け金ではない。