米財務省当局者らは2011年7月までに、連邦銀行規制当局が有する既存の執行と捜査、規制の実施といった権限を新設の消費者金融保護局(CFPB)に移す計画だという。状況に詳しい複数の関係筋が明らかにした。
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Associated Press

エリザベス・ウォーレン氏


 オバマ米大統領が消費者金融保護局創設の責任者にハーバード大学教授のエリザベス・ウォーレン氏を指名した後、米財務省は17日中にもこれについて発表する見通し。

 オバマ大統領はウォーレン氏を「わが国の最も堅固な中流層支持者の一人だ」と評した。大統領は同局の設立はもともとウォーレン氏のアイデアであることから、同氏が当局の設立と運営に関しガイトナー財務長官と協力するのが最も理にかなうとの見解を示した。

 2011年7月という時間枠により、ウォーレン氏には新CFPBを創設し、完全に業務を始動するまでに、約10カ月という時間が与えられることになる。 同局は職員の採用からインフラ整備に加え、消費者の苦情に対応するシステムを立ち上げ、まずどのような規制を定めて実行に移すかなどについて判断を下す必要がある。

 ドッド・フランク金融規制改革法は7月に成立し、CFPBの創設ならびに金融セクター全体にわたって規制が見直されることになった。同関係筋らによる と、この新法では米財務省当局者はこうした権限の移譲に6-12カ月間を有することになるとされており、同省当局者らは17日中に、比較的長期の時間枠を 設定したことを発表する計画。財務省当局者らは、財務長官が一段と時間が必要だと判断する場合には、さらに18カ月間、この時間枠を延長することができ る。

 ウォーレン氏の役割はCFPBの創設ならびに業務開始まではっきりしていない。新法によると、CFPBの局長のみ、上院での承認が必要で、また、局長だ けが同局による規制と指針を定めることができる。米政府はウォーレン氏を5年間の任期で同局局長に指名する可能性もある。

(9月18日 WSJより引用)


エリザベス・ウォーレン氏と言う人は、どう言う人なのであろうか?

ニューズ・ウィーク紙の2009年4月22日に記事が載っているので引用すると

米金融ロビーが恐れる債務者のための女性闘士

個人破産者の立場から米政府の銀行救済策を監視する破産法の権威は、金融制度改革の旗手か、単なる過激思想家か

ハーバード大学の法科大学院といえば、気難しくて威圧的な教授が、講堂を埋め尽くす学生相手に合衆国憲法に関する高邁な議論を吹っかけるイメージがある。だが2月のある夕方に訪ねた地下の教室は、それとは似ても似つかぬ光景だった。

 学生はたった9人。パソコンとにらめっこをする彼らを、教授のエリザベス・ウォーレン(59)が大げさにほめたり遠慮がちに批評する。彼らの志望 は、弁護士や検事になることではなく法律の教授になることだ。だからこのクラスでは、お堅い学会誌向けの論文の書き方を指導している。

 学生を象牙の塔に招じ入れることにかけては、アメリカを代表する破産法の研究者、ウォーレンの右に出る者はそういないだろう。彼女自身がこの30年間、法律図書館以外ではほとんど誰も読まないような論文を書き続けてきたのだから。

 だが、この数カ月の彼女の仕事は、地味どころか大いに目立つものだった。08年11月、民主党のハリー・リード上院院内総務はウォーレンを、米議会のために不良資産救済プログラム(TARP)などを監視する委員会の委員長に任命した。その使命は、米政府の銀行救済策を評価し、議会に金融システム改 革のあり方を助言することだ。何年も前から銀行を批判してきたウォーレンは、自らの信念を法律にする絶好の機会を手に入れた。


自己破産は借金踏み倒し?

その実現のためには、政治的に振る舞うことを学ぶ必要がある。必ずしも彼女の強みとは言いがたい。だが、もし政治が人より大きな声を出すことだとすれば、最初の数カ月は成功だった。

 ウォーレンは頻繁にテレビのニュース番組に出演し、ブッシュ前政権の金融危機に対する初期の対応をこき下ろす報告書も出した。「銀行は救えるけどアメリカの家族は救えない、というのはまちがっている」と、彼女は最初の報告書を発表した後に言った。

 ウォーレンがハーバードに着任したのは95年。アメリカの破産制度に関する画期的な研究が評価されてのことだ。 初期の研究で彼女は、自己破産を申 し立てる貧困層が実際いかに貧困かを分析した。彼らは破産制度を悪用して借金を踏み倒しているだけだ、という富裕層の見方を覆すものだ。後には、自己破産 の3大原因を特定した。離婚と失業と医療費負担だ。

 ウォーレンの教え子の一人で現在はアイオワ大学で法律を教えるキャサリン・ポーターは、講義の初日になぜ破産の研究が面白いかについてウォーレン が話した言葉をよく覚えている。「これは資本主義の裏側についての研究だから。資本主義は勝者に報いるのは得意だが、敗者をどう扱うべきかについては何も 語っていないから」

 だから、銀行救済を監視する委員会のトップに抜擢されたとき、迷いはなかった。朝には、上院の公聴会の中心に座っていることが多い。政治専門のケーブルテレビ局C-SPANのカメラが回るなか、ノーベル賞経済学者に向かってさっさと要点を述べるよう指図したこともある。


危険な金融商品は禁止せよ

ウォーレンの構想は、家電製品や玩具などの安全性を監視する消費者製品安全委員会をまねて、金融商品安全委員会を作ることだ。実現すれば、信用危機の原因になるような無責任な設計の住宅ローンは市場から駆逐されるだろう。「この危機は、アメリカの家族を騙すことから始まった。解決策もそこから始まら なければならない」と、彼女は言う。

 監視委員会の報告書は、毎月のように論争を巻き起こす。民間の投資会社に分析を委託した2月の報告書では、08年秋に大手銀行に資本注入したと き、財務省は銀行の株を3割以上も高く買ったと結論づけた。過去の金融危機を研究した4月の報告書では、債務超過の銀行を清算して経営陣をクビにしたほう が、迅速かつ整然と混乱が収拾できると主張した。


 ウォーレンのアイデアのいくつかには、厳しい批判もある。「クレジットカードと火を噴くトースターを一緒にするのはおかしい」と、ジョージ・メイ スン大学の法学教授トッド・ジウィキーは言う。なぜなら欠陥家電製品とは違い、複雑なローン商品には実際に一部の借り手のニーズがあるからだ。あらゆる貸 し手が略奪的であらゆる借り手が不幸な犠牲者と考えるウォーレンの見方は短絡的すぎると、ジウィキーは言う。

 金融業界のアナリストはさらに批判的で、彼女の学問は見かけ倒しで過激思想の持ち主だと陰口を叩く。そもそも、彼女が率いる監視委員会がどれほど の影響力をもつかに疑問を投げかける批判派もいる。「何の権限も執行力もなく、提言をするだけ。お説教をする立場にすぎない」と、あるロビイストは言う。


銀行主導の「改革」に対抗する


それでも、ウォーレンのような考え方は勢いを増している。3月、民主党のディック・ダービン上院議員は、金融商品安全委員会を創設する法案を提出した。議会が金融規制改革の審議を進めるうえで、ウォーレンの考えは影響力をもつだろうと下院金融委員会のバーニー・フランク委員長(民主党)は言う。「エ リザベスは、金融業界のことだけを考えて銀行救済を主導している勢力の圧力を相殺してくれる、優れた対抗勢力だ」と、フランクは言う。「私は彼女の意見を 求めるつもりだ」

 この上なく精力的に働いてはいるが、それでも政治はわかりにくいと、ウォーレンは認める。彼女の主張は何度も新聞の見出しを飾ったが、議員たちがいったいどれだけ耳を傾けてくれるのかまったくわからない。

 ある夜、ハーバード大学のオフィスで本棚に囲まれて座っている彼女を見ると、ここにいるほうが幸せなのではないかと思えてくる。だが彼女は、今後 数カ月間はきわめて生産的な時期になると期待している。ちょうど、1930年代に米証券取引委員会(SEC)や米連邦預金保険公社(FDIC)が設立され たころのように。

「歴史のなかでは、社会がほとんど変わらない時期が長い。だが、他の時期には大きな変化が起こることもある」と、彼女は言う。「われわれはこの危機から教訓を学ばなければならない」

 ウォーレン自身は、自分が信じるところを世に伝える絶好のチャンスを最大限に生かすつもりだ。

(引用終わり)


2009年2月6日のロイターの記事には


米金融安定化法に基づく金融機関への資金注入額、取得株式の価値を780億ドル上回る=監督委員長


米金融安定化法の運用を監督する目的で議会が設置した委員会の委員長を務めるハーバード大学教授のエリザベス・ウォーレン氏は5日、上院銀行委員会 の公聴会で証言し、昨年、不良資産救済プログラム(TARP)に基づき金融機関に注入した公的資金の額が、取得した株式より780億ドル多いと指摘した。

 ウォーレン氏の委員会の試算では、財務省は約1760億ドル相当の株式やワラントと引き換えに2540億ドルを注入したことになる。


 ウォーレン委員長は、前政権の財務省が、注入額の算定方法において国民を欺いたと指摘。


 「財務省は、言った通りのことをやっていなかった。プログラムについて説明したことと違う形で価格設定を行った」とし、ポールソン前財務長官が、TARPによる銀行への資本注入の説明で「まったく率直ではなかった」と述べた。


 銀行委員会のメンバーからは、TARPの運用を非難する声が出た。


 アカカ議員(民主党)は、TARPの実行プロセスが混とんとし秩序に欠け、場当たり的だったと批判した。


 ウォーレン委員長は、財務省が資金注入を決定した時点では、取得する株・ワラントの価値以上の金額を注入する理由があったかもしれないと述べたが「それでも財務省には明確な目標、方法、尺度が必要だ」と指摘した。


 ウォーレン委員長は、6日にTARPに関する報告書を発表する。


 公聴会には、同じくTARPの運用監視を担う財務省の特別監察官、ニール・バロフスキー氏も出席。同氏のチームが刑事調査に切り替えると述べた。


 バロフスキー氏は4日、ロサンゼルス・タイムズ紙とのインタビューで、TARP資金注入申請における不正は刑事告発の根拠になり得ると述べていた。


 


 <TARP刷新>


 


 オバマ政権は、9日にクレジット市場の復活、住宅保有者支援、景気浮揚を狙った新戦略を発表する予定。そのなかにTARP運用の厳格化も 盛り込まれるとみられている。その布石として、ホワイトハウスは4日、公的資金を注入する企業の幹部報酬に年間50万ドルという上限を設定すると表明し た。


 公聴会では、バイ議員(民主党)が、TARPは近く追加資金が必要になるとの一部アナリストの予測を踏まえ「運用改善が保証されなければTARPに追加資金が投入されることはない」と述べた。


 ポールソン前財務長官は当初、TARPは銀行が抱えている不良化した証券を買い取ることが目的と説明。これを受けて議会も承認した。しかしその後、ポールソン長官はTARP資金の使途を銀行の優先株を取得することに切り替えた。


 ウォーレン委員長は、委員長就任から3カ月たつが、まだ財務省から十分な回答を得ていないと述べ、TARPは「不透明なプロセス」と指摘した。



 バロフスキー氏は、議会への初の報告書で、TARP資金を活用する支援策の1つであるターム物資産担保証券ローンファシリ ティー(TALF)のはらむ欠陥に懸念を示し「財務省は、ABS受け入れに際し、適格格付けなど基本的な欠陥を防止するための基準を設けることを検討すべ き」と指摘。


 報告によれば、金融機関支援の一環で取得した株式の配当は2億7100万ドル超。財務省が保有株の投資戦略を練る必要があるとしている。


 財務省の報道官は、同省がバロフスキー氏の勧告の多くを採用する方針だと述べた。


 バロフスキー氏の報告によると、財務省は現在、319金融機関の優先株2792億ドルを保有している。


 このほか230社の普通株に転換できるワラントを保有。アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、シティグループ(C.N: 株価 , 企業情報 , レポート )、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価 , 企業情報 , レポート )の規模が大きい。


 やはりTARPを監督する立場にある政府監査院(GAO)は公聴会で、財務省は注入後のTARP資金の活用などをより綿密にチェックすべきで、TARPには内部コントロールや「明確なビジョン」が必要と指摘した。




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(引用終わり)



2009年6月20日土曜日

ウォール街が忌み嫌うエリザベス・ウォーレンがオバマの金融サービス改革案のコアになるCFPAをデザインする

週末のウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によるとハーバード大学の法学部の教授、エリザベス・ウォーレンが消費者向け金融商品の監督局、CFPA(Consumer Financial Protection Agency)の青写真の設計者になるようです。

エリザベス・ウォーレンはたぶんウォール街や銀行業界から最も忌み嫌われている「天敵」です。彼女は昔から住宅ローンにおけるプレデタリー・レンディングや法外なクレジット・カード金利に対して批判的な立場を取ってきました。

CFPA の発想というのは、例えばこういうことです。若し或る自動車が安全基準を満たしていなければ陸運局はそんなクルマを売ることは許さないし、処方薬の宣伝を 新聞で直接消費者に広告する場合はFDAがいろいろ箸の上げ下ろしまで指導します。それらと同じで金融商品が一般消費者に売られる際、それを監督、規制す る局が必要だというのがオバマ政権の考え方なのです。

CFPAの構想に関してはオバマ政権の経済アドバイザー、ローレンス・サマーズ(=彼はハーバードの学長だったのでエリザベス・ウォーレンの「元上司」)も積極的に関与しており、サマーズとウォーレンはカレーを食べながら3時間も相談したそうです。

オバマの金融制度改革については世論の評価は低いです。これは一因として銀行界、証券界のパブリシティー・マシーンがフル稼働して、なんとかネガティブなイメージを作ろうと最後の抵抗を試みているからです。

PS:ウォーレンはTARPのCOP(下院監視委員長)の立場からその資金の使途や効果に関してポールソン前財務長官や二ール・カシュカリをボロクソに貶した人でもあります。

http://gaikokukabuhiroba.blogspot.com/2009/06/blog-post_7071.html 外国株ひろばより引用

2010/1/28 23:34

「キャピタリズム」を止める女~昨日のThe Daily Show(1/25週-1)  ジョン・スチュワート

昨日のゲストは、TARP(不良資産救済プログラム)の監視機構のリーダーで、ハーバード大学法科大学院の商法の教授エリザベス・ウォーレン。政府関係の人のインタビューとしては久しぶりに、非常に面白いインタビューでした。

この人、マイケル・ムーアの「キャピタリズム マネーは踊る」にも出てましたね。短い出演なので、印象に残っていないかもしれませんが...これから観る方は、注意してみて下さい。なんたって、ジョンが「旦那さんが見ていてもいいから、あなたにキスしたい」なんてことを言った女性なのですから(笑)。

The Daily Show with Jon Stewart 2010/1/26

ジョン・スチュワート:8ヶ月前にあなたがいらした時、アメリカ経済がどうしてこういうことになったのか、独立戦争の時から1980年代までの流れを分かりやすく説明してくれましたよね。今夜は、1980年代から今までのことを説明してくれません か。独立戦争からもういちど復習します?

エリザベス・ウォーレン:いいですよ。つまり、経済は10年周期ぐらいで大好況と恐慌を繰り返してきたのです。そして1929年の大恐慌がありました。そ の後、(それを防ぐ)ルールが作られ、そのおかげで大恐慌から1980年代までは、好況・不況の波はあっても、金融恐慌と言えるものはなかったのです。

スチュワート:1980年代までは。80年代に何があったのですか?

ウォーレン:簡単に言えば、その時までは、ルールがあったのです。抵当やローンやクレジット、あらゆる消費者対象の融資に対して規制がありました。大きな 金融機関、ウォール・ストリートの大物たちが、考えたのです。「うーん、こういう規制があるから、我々は大きな商売ができない。どうにか、監督省庁に手を 回して、取り込むことはできないかな?」

スチュワート:「手を回す」というと聞こえが悪いですけど、「ハグする」って言えば...

ウォーレン:それでもいいですよ。どう呼ぼうと、つまりは「警察の見張りをなくす」ということです。見張りがいなくなれば、利益追求のモデルを変えることができる。そして、彼らがやったことは、実際に「警察の見張り」を追い払って...

スチュワート:どうやったのです?どうやって見張りを追い払ったのですか?賄賂?

ウォーレン:いえいえ。問題の一部は、監督者がバラバラだったことです。7つのばらばらな監督機関がありました。

スチュワート:彼らの力を弱めたのですね。

ウォーレン:そうです。現在でも、7つの機関が7つの別々の方向を見張っていますが、消費者の方を向いている機関はひとつもありません。彼らは銀行や、 ファンドや、そういうものの方を向いています。(金融機関は)監督機関を手なずけて、見張りをなくして、売っている金融商品の性質を変えました。かつてよ りずっと危険な抵当権、ずっと危険なクレジット、車のローンですら、以前より危険になりました。彼らは、そういったアメリカの家庭の「支払いの約束」を集 めて...「これは金になる」と、それらをスライスして、細切れにして、組み合わせ直して、魅力的なパッケージにして売りまくり、結果として、3つの現象 を引き起こしました。まず最初に、利益が天井知らずに急騰しました。

スチュワート:あなたがそう言う時の、神に助けを求めているみたいな目がいいですね。

ウォーレン:その通りです。次に、彼らのボーナスの額が天井を超えて、天まで昇りました。第3に、リスクの高さも大気圏を超えて、天まで昇ったのです。そ して、元々そのシステムに内包されている危険が姿を現しはじめ、市場は少し悪化し始めました。そうしたら、それを始めた張本人であるウォールストリートの CEOたちは、アメリカ国民に向かって、要するに、こう言ったのです。「大変だ!われわれに救済金をくれなければ、みんな死ぬぞ!」だから、国は救済金を 出しました。そして今、われわれはこの物語の最終章を書いているところです。問題はこういうことです。われわれはこれからも、このバブルと大恐慌のサイク ルを続けるのか。ウォールストリートのCEOが全てのルールを書き続けるのか。それとも、「ノー、もうこれはたくさんだ。今度こそ本当に前に進むぞ。」と 言うのか。安全にローンを組むことができ、安全にクレジットカードを使うことができ、いくらかかるのかが把握できるようなシステムです。

スチュワート:リスクを制御可能な範囲にとどめるのですね。ご説明をうかがっていると、本当にシンプルなことのように思えます。なら、どうして...あな たは8ヶ月前にこの番組に来て、その種の規制について、とても筋の通った計画をご説明されました。少しの変更で、その方向に向かえるように思えまし た。(それなのに、まだ規制が実現していないのは)議会が彼ら(CEOたち)を恐れているからですか?それとも本当に(規制が)国のためにならないと思っ ているからですか?それとも、理解していないからですか?「大きすぎて破綻できない」銀行や、クレジットカードの契約が20ページの長さになるようなこと がないような、以前の合理的なシステムに戻す。それだけのことが、どうしてこんなに困難なのですか?

ウォーレン:彼らは、ちゃんとわかってやっているんですよ。ごまかされてはいけません。

スチュワート:「彼ら」とは?

ウォーレン:ウォールストリートのCEOたちです。銀行家です。力があり、現在のシステムから巨額の金を稼いでいる人々です。彼らはちゃんとわかっていま す。そして、ワシントンの楽屋裏で、現状を守ろうと全力を尽くしています。表に出るときは感じのいい顔をしていますが...

スチュワート:本当にキレイな顔をしていますよね。

ウォーレン:歯並びもよくてね。でも、表舞台から離れると、「いくら金を注ぎ込んでいると思っているんだ。何ひとつとして変えさせないからな。」と言うの です。彼らを見ていると、こう言いたくなるんです。「『われわれ国民が金を出して、あんたたちを救済したんだ。』この文章のどこがわからないの? (What part of "We bailed you out" do you not understand?)救済金がなければ、彼らの会社はなくなり、彼らは失業しているんです。

スチュワート:でも、彼らはいまだに、自分たちが間違ったことをしたとは思っていないのでしょう?議会の公聴会で、ジェイミー・ダイアモンドは「こういう (景気後退は)5年か7年毎ぐらいに起こることだ」と証言しました。彼は「われわれの失敗は、不動産価格が下落することもあるということに気がつかなかっ たことです」とも言っていました。まるで、不動産価格だけは、すべての経済の原則の例外であるように...彼らの証言は嘘なんですか?

ウォーレン:もちろん嘘ですよ。

スチュワート:何?!(うろたえる)彼らはちゃんとわかっていて、議会の前で、アメリカ国民の前で...あれはただの茶番で、議員もちゃんとわかってい て、ちょっとした小芝居をやって、一緒に楽屋に戻って、一緒に以前とまったく変わらないルールを書いていると、そういうことですか?

ウォーレン:その通りです。だって彼らは、今のルールが大好きなのですよ。この危機を招いたルールです。JPモーガンのジェイミー・ダイアモンドが言った通り、5年から7年の周期でバブルと恐慌を繰り返すモデルです。彼らが一番儲かるシステムはそれなんです。

スチュワート:ロビイストと議員がそんな風に協力しているのなら、どうやってプレッシャーをかけることができるんです?負け戦のように思えますが。

ウォーレン:いいえ!これは負け戦ではありません!

スチュワート:(叱られたように)...ぼく、「負け戦」って言いました?あー、取り消します。

ウォーレン:今が勝負の時なのです。今から50年間のアメリカ経済の行く末を、今まさに決めようとしているのです。今の時点では、CEOたちは上院におい て全ての意味のある変更案を押しとどめています。(This really is the moment. The chips are all on the table here. We are going to write what the American economy looks like for 50 years going forward. And right now, the CEOs have any real change bottled up in the Senate.)バーニー・フランクのおかげで、下院では議案が通り、上院に来ています。上院を通り、大統領が署名すれば、規制が実現します。あなたが議 員に手紙を書いたことがないのなら...

スチュワート:あー、何度か書いたことはありますよ。(カメラ目線で)ハロー、メアリ・ランドリュー!(ルイジアナ州の上院議員。民主党)

ウォーレン:今がその時です。

スチュワート:上院にかかっているのですね。でも難しくなりましたね、民主党は過半数を失いましたから(※)でも、あなたがこの問題に全身全霊で取り組んでいるのはわかります。上院を通ることを祈っていますよ。シンプルで良識的な法案だと思いますから。

ウォーレン:本当にシンプルなことなんです。アメリカの中間層なんです。今までの30年間、中間層は少しずつ削られ、とり崩されてきました。今はもう、ど うにもできなくなりました。この問題を解決して前に進むか、でなければ本当にゲームオーバーです。(It is simple, this is America's middle class. We've hacked at it, and chipped at it, and pulled on it for 30 years now. And now there's no more to do. Either we fix this problem going forward, or the game really is over.)

スチュワート:あなたがそんなふうに言うのを聞いていると...楽屋でご主人が待っていると知っていても、あなたにキスしたくなりますよ。(When you say it like that, and when you look at me like that, I know your husband's backstage, I still wanna make out with you.)

ウォーレン:【爆笑】

スチュワート:エリザベス・ウォーレンさんでした!


つまりこういうことか。ジョンに「キスしたい」なんて言われるためには、ハーバードの教授で、ものすごく頭がよくて、経済について知識豊富で、しかもそれ を素人にもよ~く分かるように簡潔に説明できて、これからのアメリカを決定づけるような重要な仕事に取り組んでいて、ゆるぎない信念があって、あるがまま をごまかさずに率直に話し、正しいことをしようと全身全霊で取り組んでいればいいのですね。なんだ、簡単じゃん(笑)

「彼らは、今のルールが大好きなのですよ。この危機を招いたルールです。5年から7年の周期でバブルと恐慌を繰り返すモデルです。彼らが一番儲かるシステムはそれなんです。」


そうか!と思いましたね。「目先の欲にかられて短期的な利益を追求して破綻を招いてしまい、困り果てて税金で救済してもらいに来た」なんて思っていたのは 甘かった。バブル→崩壊というサイクルは世界全体にとってはひどいことだけど、金融機関としては、穏やかな好不況のサイクルより
その方が儲かるんだ。で、規制をかけようとすると株価を一気に下げて、規制は経済にとって悪いことだという印象を作り出す。うーん、言われてみればミエミエのことなのに。

すごく面白くてタメになるインタビューでした。


※テッド・ケネディ死去に伴うマサチューセッツ州の補選で共和党が勝ったために、上院での民主党:共和党は60:40から59:41になった。2桁の引き 算ができる人なら誰でも分かるとおり、民主党は過半数を失ってはいない。これは、1議席失っただけで「健康保険改革法案の可決が難しくなった」とか言って いるだらしない民主党に対する皮肉。


http://navy.ap.teacup.com/kumiko-meru/1017.html より引用

いずれにしても、ガイトナーは、エリザベスのことを恐れているし、ウォール街も彼女のことを忌み嫌っている。
そういう人物が、抜擢されると言うことは、
(1)それ見たことか!お前の言うとおりにやっても問題は解決しなかったではないか!という見せしめのために任命する。失敗させるのが目的であり、こういうことを二度とさせないようにする為の脅しでもあるだろう。
学者たちは、戦々恐々とするであろう。間接的な言論弾圧を図ろうとしているのであろう。
(2)オバマが改心してウォール街と手を切ろうとしている。(笑)ありえない。やったらケネディと一緒で暗殺だ(苦笑)
のどちらかであろう。
英語の堪能な方は、こちらもどうぞ

http://bankinghorrorstories.com/?p=1034