いまはみんな時代に負けているような気がするのね。
どんなに新しいものが出てきても、
それは人間が本当に必要としているものなのか?
昔はわりと未来が開けていたからそんなこと考えなかったけど、
*
いまは未来が閉じかけているような気がする。
だから時代に負けないでいなきゃって強く思いますね」
ここはどこなのか、
いまはいつなのか。
谷川は
子どもの頃から考え続けたという。
*
自分の存在は
宇宙の一点だと感じるようになる。
十代の頃に書いた
『二十億光年の孤独』も、
そうやって生まれた
「ぼくは歴史的な時間認識が薄くて、
空間的なもののほうが好きだったんですね。
現在という時間は過去にも未来にも通じているけれど、
その流れは時計の針が示すような単一なものじゃない。
*
“永遠の中のいま”っていうのは
すごく重層的なもので、
それをずっと詩に書いてきました」
二十億光年の孤独
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或はネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨んでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
ぐーぐるから





