
結婚式まであと1ヶ月というある日に、
新婦のお父様が突然の脳梗塞で緊急入院されました。
脳梗塞とはご存じの方も多いと思いますが、脳の血管がつまって、
血液が足りなくなった部分の脳の組織が壊死してしまうという重篤な病気です。
最近では長嶋茂雄さんやオシムさんもこの病気にかかりました。
大切な娘の結婚式を来る日も来る日も楽しみにしていたお父様、
しかしながら倒れた日から意識も戻らず、
医師からは「このまま意識が戻らないかも知れません」と言われたそうです。
親しい親族も病院に呼ばれるような危機的な状況。
新婦Sさんは悲しみに泣き崩れ、憔悴されてしまったそうです。
立つこともままならなかった新婦に、
それまで意識の無かったお父様の口から「10がつ…8か」と言葉が。
その10月8日とは新婦Mさんのご結婚式の日。
病床で伏せっているお父様、
泣き崩れる新婦Sさんの事が心配でたまらなかったのでしょう。
そしてお父様は手を握り親指をぐっとたて、目を閉じました。
世の中は不条理に満ちあふれています。
「この世に神や仏はいないのか」と思う出来事も少なくありません。
大切に大切に、そしてあたたかく育ててきた娘の結婚式の1ヶ月前に、
突然お父様を襲った脳梗塞。
その事実を聞いたときに僕のアタマの中を駆け抜けた言葉です。
新郎Hさん新婦Sさんのご結婚式は予定通り10月8日に執り行われました。
1ヶ月間の苦しさやつらさを乗り越えた、結婚式での笑顔。
とっても美しく、とっても優しい笑顔でした。
そしてそんな輝く笑顔をあたたかく見つめる目。
新婦のお父様の姿がそこにありました。
お父様は念願の10月8日の結婚式に出席できたのです。
まだまだ完治には至っていませんが奇跡の回復で、
娘の結婚式の場に立つことが出来たのです。
神はやはり降りるところには降りてくるものなのですね。
お父様が親指を立てぐっと握りしめた手、
それはきっと「必ず結婚式に行く!」という意味だったのかもしれません。
色々なお話しを伺っていただけに、
結婚式でのお父様の元気な姿や新郎新婦の楽しそうな表情を見ると、
「ホントに良かった、元気になって良かった(つД`)」と、
時折、涙でファインダーが見えなくなってしまったりと、
僕の中でも思い出深い結婚式でありました。
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