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本文とは関係ありません

最近セミの大合唱を聴きながらデスクワークしています。
ところでセミの声って電話では聞こえないんですね。
「セミの声がうるさくてスミマセン」言ったら「は?」と言われました、
どうやら電話機が通す音の幅が限られているようです。

さてさてかなり前のことですが、僕が結婚式の写真を取り始めた頃、
とあるレストランの提携の写真室に在籍していました。

そのレストランの中で「あのキャプテンとても厳しいから注意して!」
という有名なキャプテンがいました。
プロとして、そしてサービス業として厳しいのであれば大歓迎なのですが、
その厳しさは何か違うんですよ、何かが。

僕がまず言われたのは「カメラマンは常に最高の笑顔でいろ」と。
まあ結婚式のカメラマンはサービス業的要素も大きいので、
納得する部分はありますが、
撮影中には新郎新婦をどうベストなアングルで切り取ろうとか、
ご両親の表情などを見ながら考えて撮影していたりするので、
職業柄それなりに真剣な顔になるんですよね。
それにむしろ笑顔でいると、おかしいシーンもありますしね。

新婦からご両親へのお手紙を朗読する際です、
会場から感動ですすりなく声も聞けこえるシーンでさすがに「笑顔はまずいよね」と、
それまで作り笑顔で頑張っていた僕は、普通の表情に変更し撮影をしました。
きっとキャプテンが言いたかったことは、
「常に笑顔、そういう気持ちでいろ」ということかなと解釈して。
でもちらっとスタッフを見るとではキャプテンはじめ、
会場のスタッフは笑顔なんですよ、すごく満面の笑みなのです。

そして披露宴がお開きになり、機材をかたづけていると、
キャプテンが近づいてきて、
「なんであのとき笑顔じゃなかったの?」
「ねえ? なんで?」と詰問してきました。

その問いに、
「常識的に考えて、笑顔でいてはいけないシーンだと思ったので」と答えると、
「それを決めるのはキャプテンである僕だから!」と颯爽を去っていきました。

どうやら「カメラマンは常に最高の笑顔でいろ」はポリシーではなく、
リアルに実行しないといけなかったようです。
「披露宴で一番偉いのはキャプテンのオレだ!」
「いいからオレの言うことを聞け!」
ということを言いたかったのでしょうが、
そんな理不尽な命令を言われても…。
でもまあ円滑に撮影をするには折れるところは折れておいた方が大人だと思い、
「披露宴では常に笑顔プロジェクト」は開始されました。

新婦友人が新婦にお手紙を読まれ、新婦は感極まって涙を流しています。
そんな感動的なシーンをパシャパシャと撮るカメラマン、表情は笑顔でした。

新郎から大好きだったおばあさまへのプレゼントシーン。
おばあさまは感動で泣き崩れ、そんな表情を見て新郎ももらい泣き。
そんなシーンを撮っているカメラマンは、笑顔でした。

そして「今まで育ててくれてありがとう」と感動の新婦お手紙のシーン、
そして感極まって涙を流されているご両親、
そんなシーンを撮影していたカメラマンは笑顔です。

もちろん会場スタッフ全員も笑顔です。
僕としては、とてもとてもとても言い尽くせない様な不本意ではありますが、
それがその会場のルールなら、それに従うのもルールです。
でもやっぱりどう考えても僕の中ではおかしいんですよ、その笑顔というのが。
なので2割増しぐらいの笑顔でした、言うなれば気持ち微笑んだ感じですね。
キャプテンが言う「カメラマンは常に最高の笑顔でいろ」
僕がその時出来た、最高の笑顔だったわけですから間違えていませんよね('A`)

でもゲストからは痛い視線を感じていました。
当然と言えば当然ですよね。
笑ってはいけないところで笑顔なわけですから、
社会のTPOに反していますもんね。

そして披露宴お開き後、キャプテンがつかつかと僕に詰め寄ってきました。
「出力20%の作り笑顔がバレたかな…」と考えていると。

「なぜあの場面で笑顔だったんだ?」

( ゚д゚)イマナント?

「なんであんな感動的な場面で笑顔だったんだって聞いてるんだけど!!!」

そんな詰問に僕はどう答えろとという感じでしたが、
苦笑いで「キャプテンの命令に従ったまでですが?」と返すと、
「それぐらい場を読んで自分で判断しろヽ(`Д´)ノ 」
と言った感じで怒られたわけですけどね。
これが世にはびこる「理不尽」というものなのでしょうね。

おそらくその場ではキャプテンは満足していたので、
きっと披露宴お開き後「スタッフはなぜ笑顔なんだ?」
というクレームでもゲストから上がったのでしょうね。
というわけで、その怒りの矛先を部外者のカメラマンに矢面を向けたわけです。

そもそもキャプテンとカメラマンはやっている仕事が違うんですよね。
なので同じ定規で測れるものではないのです。
キャプテンはカメラマンは披露宴の2時間30分中ずっと、
「常にどう撮ろうか考えている」ことなどわからないと思います。
逆に僕はキャプテンでの視点で考えていることはわかりません。
ミーティングとかで意見交換しても、
どうしてもわかりあえない部分もありますからね。

お互いの仕事をリスペクトして、
お二人やゲストが想い出に残る結婚式になるために協力し合う。
結婚式の現場を担うチームが向かう方向って、
シンプルなもののはずなんですけどね。