亀と観覧車
 
週刊文春 あらすじと解説
貧困家庭の少女と初老作家の運命が昏くきらめく 『亀と観覧車』 (樋口有介 著) 
公式ページ
亀と観覧車
 
私が、普段読む本の90%は推理物やサスペンスもの。
この作品にも、殺人が行われるし、
登場人物に学園ミステリーの作家さんがいる。
 
それで手に取ってみた。
 
最後まで読んだとき、
あぁ…そういう風に終わるのか!とちょっと驚きました。
 
この本ね。いろんなサイトによってあらすじが違うんだ。
それほど深い作品だと思う。
簡単に私流にあらすじを説明すると、
 
昼間はホテルのベッドメイキングのお仕事をして
夜間学校に通う女子高校生。こちらが主人公。
失業後、生きる希望を失ってる父親と
鬱と称してパチンコ三昧の母親と
生活保護で生活している。
そして事件が起きる。
 
その実生活とかけ離れた世界を知るきっかけがあり
学園ミステリー作家との付き合いの中で、
少女の気持ちは成長していく。
 
現実と現実逃避と恋愛のお話しかな。
 
淡々とした冷めた少女の行動が描かれていくだけ、
私は、この少女の気持ちを理解できない部分が多い。
やってる行動も、うーんって思うものも多い。
不快な文章もある。
感情移入は全然できないんだけど、
特殊な環境と設定と少女の気持ちの流れが
スーッとはいってきて、一気に読破できるくらい
心地いい文章で、どんどん読めてしまうのが不思議だった。
 
なんで、この世界観には入れないのに読めるって何故だろう
たぶん、いっぱい疑問があって
それでもって、この少女の気持ちを理解しようと思いながら
読み進めるからだとおもう。
結局は、わかったようなわからないような(笑)
 
でも、こころに残った文章があった。(文章引用)
 
 
 
 
わたしね。いつも思うの。
わたしの胸が小さいのも
夜学に通っているのも
ホテルでバイトをしているのも
私の責任じゃないの。
お父さんが怪我をしたのも
お母さんが鬱になったのも
うちが生活保護を受けているのも
私の責任ではないの
だけどね。
仕方ないことは仕方ないよ。
わたしは親や家を選んで生まれてきたんじゃない。
だから人生って本当はなにもかも自分の責任ではないの
でも自分の責任ではない人生を
自分の責任として生きるのが人生だと思うの
わたしのいうこと、へん?
 
大人になれば、これは違う部分もあるけど、
女子高校生がこう思って人生を生きている。
そう思ったときに、ストンと入ってきた。
 
 
そして…
最後には、結局…
 
それがたった1行のセリフで
あああああ…ってそうなるかぁぁって
どんでん返しとは違う。
どういえばいいのかな。
まぁ。あれだ。
面白かった。
 
初めて、樋口有介さんの作品を読んだけど、
ほかの作品もぜひ読みたいと思いました。