この季節は、先日亡くなった祖父がよく戦争の話をしてくれたものでした。
その祖父は、いつも、「戦争はつまらん。人と人が殺しあうことほど、つまらんことはなか」と、言っていました。

逃げている途中で、亡くなっていった戦友の話
銃撃を受け、目の前で命が消えていく場面

遺体の小指だけを切り、ポケットに入れて一緒に戦っていたら、虫がわいてしまい小指だけの火葬をした話
戦争が終わり日本に帰るときに、一緒に戦ってきた馬が、いつまでも鳴いていた話

祖父の脚には、銃弾の欠片が残ったままでした


子供のころは、またか。と思って聞いていたけれど、今になると、大切な財産を残してくれていたなぁと思います。


逆に、祖父の留守の家を守る祖母は、なかなか戦争の話をしませんでした。
彼女の戦争は、原爆が付いてまわるためです。
学校の宿題か何かで、せがんで話を聞かせてもらったことがあったきりです。

ピカっと、見たことのない雷が光ったら、その後、聞いたことのない爆音
一瞬にして暗い空が広がって、不気味なキノコ雲が見えた
とんでもないことが起きたと思った

水をください、助けてください、と訪ねてくる見知らぬ人たちは、誰もが焼けただれた皮膚をぶら下げてた。

と、涙を浮かべて語ってくれたときのことを、よく覚えています。
祖母は、今でも原爆手帳を出すのを嫌がります。
たくさん、言われもない差別があったのだと思います。


父方の祖母は、満州から引き上げる時に、何度も父の手を離そうかと思ったことを、父に申し訳ない、と何度も何度も私に謝っていました。


戦争は、ただただ、そこに存在していた人に、計り知れないほどの深く消えない悲しみと苦痛を生んでしまう。


今日の私の平和は、多くの悲しみと苦痛の上に成り立っていることを忘れちゃいけない。
改めて。