草刈りをしていたら、ひなげしの蕾が開きかけていました。

細かな毛の生えた蕾からは想像しにくい、鮮やかなオレンジ色の花びら。

明るくてまぶしくて美しい色。

開きかけの蕾はくしゃくしゃで柔らかで頼りない感じがします。


{9D1A4CBF-04CB-4FBA-A384-6BA2D753AAC9:01}



ちくちくと毛の生えた蕾の皮は、朝、開き始めたら、数十分後には落ちて花が開きます。


開いた花を見ていたら、今からもう10年近く前のことを思い出しました。

保育士をしていたときのこと。
年長児を担当していたある日の朝、お部屋に生けたポピーの蕾が開き始めました。

ひとりの子が言いました。

「わー!毛むくじゃらのつぼみがやぶれとるよ!」

その声に誘われてこどもたちが数人、花瓶のまわりに集まりました。

「わ~、毛むくじゃらで怖いなぁ、このつぼみ!どんな花が咲くん?!」

10分ほど経過したでしょうか、最初に蕾の変化に気づいた子が、また叫びました。

「毛むくじゃらの皮が動いたー!!」

今度はクラスのほとんどのこどもが花瓶のまわりに集まりました。

みんなは皮が動くはずがないと、言いながらも興味津々。

「ねぇ、毛むくじゃらの皮がとれたらどんな花が咲くん?!」

こどもたちがキラキラと目を輝かせてわたしにたずねます。

よし、今日の朝の時間は、ここで過ごしましょう、みんな集まって~!と、わたしは全員を花瓶の周りに座らせました。

朝のご挨拶やお話を、花瓶を囲むようにしてはじめると、ポピーの蕾がまたググッと開いて動きました。

「わーーー!ほんとに動いたー!!」

みんなで大興奮。
朝のお話どころではなくなり、ポピーの蕾に釘付けに。

よし、みんなで花がひらく瞬間を見届けよう!と、みんなで花瓶に近寄りました。


息を飲みながらさらに10分ほど経過したでしょうか、ついに蕾の皮が落ちたのです。

ちょうど花瓶の真横にいた子が、手のひらで皮をキャッチ!

「きゃーー!毛むくじゃらの皮が落ちたーーー!!」

それまで静かにじっとみつめていたこどもたちが、立ち上がり飛び上がり歓声をあげました。

さらに5分後、真っ白なポピーの花がふんわりと開いたのです。

「可愛い~~!」
「こんな可愛いお花が咲くんやね!」

毛むくじゃらのつぼみからは、その花の可愛さをイメージできなかったのでしょう。

花がひらく瞬間をみつめるなんて、こどもたちがいたからこそ体験できたミラクルな時間でした。

のびのびと時間の流れや予定を気にせずに、ポピーひとつと向き合えたあの時間。

あの子達はいま、高校生くらいかな?


なつかしいなぁ!

ひなげしのつぼみが思い出させてくれた昔のお話でしたニコニコ音譜


{D8184F17-8653-4A67-BAC5-E2296324F4DC:01}