読書 イクサガミ 今村翔吾  | 尻尾の先まで 猫に恋

尻尾の先まで 猫に恋

優しいシャムトラ♂、自己主張が激しめの三毛猫♀、卓球少年の中学生男子との日々です。猫のこと、子育て後半戦、映画と本、筋トレ、断捨離などについて書いていきます。
ねじめ正一さんの俳句「ビリビリっと 尻尾の先まで 猫の恋」
こういう世界観が好きです。

2025年も面白い本との出会いがありました

今年最後をどの本で〆ようか迷い中

 

 

オッドアイ猫「山・剣・女・業・生と死」

三毛猫「わざわざ心をえぐられに行くラインナップ。心の健康は大丈夫か?


真顔 楽になる読書より、納得する読書を選んでるんです

昔から私の本棚は血なまぐさい…

 

『神々の山嶺』夢枕獏

 

ちょっと心を削られました

先週読み終え、まだ下山途中

夢枕獏は、読み終えて「はい、終わり」ってならないんですよね

気持ちが持っていかれたまま、漂う…

 

イギリスの登山家G・マロリーのエベレスト登頂の謎から物語は始まるんです。

「なぜ山に登るのか」という問いにマロリーは「そこに山があるから(Because it's there.)」という名言を残したのですが、この小説の登山家、羽生丈二はこう言います

 

「ここに俺がいるから」

 

これ、逃げ場がないんです

自分とどこまでも向き合う

つらいならやめればいい

他にも道はある

楽になってしまえ

 

でも、誇り高くいたいわけではなく、それ以外の生き方が分からないんです。

それでしか自分を保てない。

 

「これを手放したら楽になる」っていう経験ありますか?

そういう人の心に引っかかる言葉が散りばめられていて、効くんです。

人は様々な事情を抱えて生きているものだ。(中略)

人は誰でも、様々な事情を否応なしにひきずりながら、前のことが終わらないまま、次のことに入ってゆくのだ。そうすることによって、風化してゆくものは風化してゆく。風化しきれずに、化石のように、心の中にいつまでも転がっているものもある。

 

かなり重めですが、

オススメしたい一冊です

 

 

 

 

『イクサガミ』今村翔吾


続いて、軽めのものが読みたかったので『イクサガミ』の最終巻を。

夏に『天』『地』、秋に『人』を読んでいました。今村先生は今年も熱かった!

 

ちなみに、私は橡(つるばみ)推し

嵯峨愁二郎と香月双葉の監視役をしている木偏の人です

ひらパー兄さんの映画コラボが好き♡

 

三毛猫 「エベレスト下山途中で、戦場に入って行ったで…」

オッドアイ猫「情緒が血まみれです」

 

刀より銃

家柄より金

忠義より合理

 

明治という時代は残酷で、

新しい世界が士族を「間違い」にしてしまう

 

武士の撤退戦

死に場所を探しているようで、

生き方の確認をしている登場人物たち

そもそも未来に向かう戦いじゃないんです

 

『神々の山嶺』の後で『イクサガミ』に行くと羽生が被る

刀と山の違いこそあれ、生き方が似てるから


別の生き方が分からない登場人物たち

明治の武士と平成の登山家の時空を超えたタッグ・・・

 

    

☆学び☆

人は斬られても登っても死ぬ

 

次の一冊が、今年最後の本になる

できればもう少し

平和に年を越したい

 

 
 

 

 

 

登場人物がことごとく死に絶える最終巻。

ラスボス天明刀弥を描くためのページ数が足りなかったのでしょうか?天明刀弥は、キャラ的に『るろうに剣心』の瀬田宗次郎と似てるんですが、もう少し掘り下げて欲しかったなぁ