3月から通い出したKスポーツクラブ、そこで前通っていたRクラブのスイミングコーチに会ってびっくりした。
彼女はここに「利用者」として来ていた。
とはいえ、コーチの仕事は昼中もあるし夜もあるので、「ほぼ銭湯がわり」に利用していただけ、のこと。それが、「4月からデイ会員に変更できます」とニコニコしながら答えてくれた。
私が長年通っていたRスポーツクラブ、つまり彼女の勤め先は、3月末を持って閉館する。彼女は失業する。だから、昼中、Kクラブに来れるわけだ。
「その後、仕事はどうするの」と聞いたら、彼女曰く「失業保険をもらって、ゆっくり考えます」。
仕事より、昼中、時間ができることが何よりうれしくてたまらない、といった雰囲気満載だった。
これ、私にはまったく想像できない心持ち。彼女の明るさが、信じられない。
職が決まらない、決まっていない状況下なら、スポーツクラブなんて絶対通う気にならない。
会社都合による失業だから、失業保険は即もらえるが、それでも一定期間だけのこと。時がたてばたつほど仕事は見つからなくなり、よしんば見つかったとしても、無職の生活に慣れた身で時間拘束される生活に戻るのは、とてもつらいと想像できる。
失業保険が切れたら、毎月一銭も入ってこなくなる、なんて、考えただけでもぞっとする。
だがしかし、だ。
例えば貯金が1億円あっても不安な人は不安であり、貯金ゼロでも平気な人は平気。
この辺りの価値観は、ピンからキリまであるわけだし、そもそも彼女は「働かなくても何とかなる人」なのかもしれないが。
あるいは彼女、元気を装っているだけで、実は心の中では先行きにとても不安を感じている可能性だってある。
いずれにしても、私はだめやな、彼女のようにはなれない。
無職状態なんて、気が気じゃない。
だから、ダブルワークも、定年になる前に確保した。「収入がゼロになる」状況だけは、絶対に避けたかった。
貯金ゼロ、ではないのにも関わらず。
こんな生き方、損なのかな。
夜中の1時、2時まで仕事する日なんて、「…って私、一体何やってんだろう」と疑問がちらと頭をかすめる。
でもやっぱり、収入ゼロは耐えられない。
真夜中に ぽつんと我が家の 灯ともる
鞠子