昼食に入った店に知っている人がいた。

元客様のSさん。男性と二人で席に座っていた。

 

その男性が、Sさんより間違いなく若い人だったから、なおのこと思い出した。

今も客様のKさんが、かつてこのSさんに激怒したことがあったのだ。

とある席でSさんが自己紹介した際、その内容が「これまで何人もの男とつきあい、かつ彼らを踏み台にしてのし上がってきた」みたくな話だったらしい。「それも、子供をほったらかしてよ!」と、Kさんは激おこ状態だった。

それからしばらくして、Sさんはうちの客様でなくなった。

 

息子にしては年が行き過ぎている。

これまで何人もの男とつきあい、今はこの人なんだろうか。

じろじろ見るわけにはいかないけど、やっぱり気になる。

 

そうこうしているうち、「注文品ができあがった」旨、電光掲示板に表示された。

その男の人が立ち上がって取りに行き、戻ってきた。

それは自分の分だけで、Sさんの目の前は、まだお茶しかない。

もちろん、後から来た私の前にもお茶しかない。

 

そのうち、次の番号が電光掲示板に表示された。

くだんの男の人がまた立ち上がり、新たな料理を持って戻ってき、Sさんの目の前に置いた。

 

もう完全に確信した。

 

その男性は、自発的に、当たり前のように、黙ってSさんの注文したものを取りに行ったのだ。

それに対し、Sさんはお礼の言葉もなく、これまた当たり前のように食べだした。

 

男性、まるでしもべ。

 

これまで何人もの男とつきあい、かつ彼らを踏み台にしてのし上がってきた。

Kさんはそれを聞いて怒ったが、私はむしろ彼女のどこにそんな魅力があるのかということのほうが知りたい。

自分より若い男性をしもべのように従えられる魅力は何なのか。

それをぜひ、教えてもらいたい。

 

Sさん、たしか65、6歳だったはず。

今日見た男性は、40代前半だった。

 

 

 

 

 

 

けだるそな オーラ漂い 人惑う

鞠子

 

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