「当然です」…ってか?

驚いたねぇ、田中慎弥さんの芥川賞受賞記者会見。
もし会見内容がそっくりそのままメールで送られてきたら、「何様?この傲慢なヤローはっ!(´~`;)」…ってなるんだろうけど、テレビで会見の様子を見てたら、なぜか心がザワザワした。

この人、この発言、何かある…
怒りなのかいらだちなのか、不満なのかあきらめなのか、いろんな澱がたまってる…

…そんな感じ。
興味津々で見てました。

石原都知事との「発言戦争」も、「短い言葉で相手を刺す」ようなオトナの闘いを久々に見せてもらった感じです。

…がしかし、私が一番驚いたのはだね、エリカ様チックな発言やオトナの戦争ではなく…

「アルバイトも含め一度も職に就いたことがない」

…のと、

「20歳のころから小説を書き始め、以来、1日も執筆を休んだことがない」

…のと、

「パソコンや携帯を持っていない」

…ということ。

どうやって食べてんだろうという下世話な疑問もモチロンあるが、
物を書く人が、人の性や業がむき出しになりやすい「働く場」を体験せず、「人」を描けるということが不思議でならない。

心に響くのは、「普通ならしないような体験をした人」とか「体験種類が非常に多い人」とか、そういう人が書いたもの、だと思ってたんだけどなあ。

受賞作『共喰い』は、暴力的な性行為を繰り返す父親を嫌悪しながらも、自分も父と同じものを持ってることに対する怖れ、閉鎖的な土地にしがみつくように生きている人々、などが書かれているとのこと。でも、ナマの人間との関わりが非常に少ないと思われる田中氏が、こういうテーマで人をどう描くんだろう…

ま、何はともあれ、読んでみないと、ねぇ…

ただ、「パソコン不所持」「携帯不携帯」は、うなずける。
そういう手段を持たなかった時代の方が、コトバが豊かだったし大事に使ってたと思うことがしょっちゅうあるもん。

だから、コトバで生きている人が携帯やパソコンを使わないのは、ある意味、当たり前かもしれないと思うし。

…でもさ、田中さんばかり目立っちゃって、円城さんや葉室さんが気の毒かなぁ…って…