人間って弱いねえ・・・と


銀色夏生さんの詩集を読み返していて


ハッとしたのをご紹介します。




「神さま 堕落してしまいそうです」



神さま


堕落してしまいそうです


この心をつなぎとめておく錨を下さい


世の中で広く正しいとされている常識を


なんべんも言いきかせてみるけれど


この心は まっさかさまに流されていきます


その急流は岩をもうがち


ふりかえる間もなく次から次へと


未踏の地へふみこませます


だから


誰にも聞けないし


何も参考にならないのです


似ている人がいたとしても


その人は遠くの別の流れに乗っているので


すれ違いざまに叫び合うだけです




神さま


堕落してもいいのです


これほどの快楽がありますでしょうか


外からは何ひとつ変化をさとらせず


ただ自分だけが知る至上の愛


堕落という戒律


悪魔という天使


                   「君のそばで会おう」より