羊の香りが恋しくなるまでに3年かかった件
~最初はくっさ!!だったのに、気づいたら虜~
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あれは15歳の春、
人生で初めて「英語よりも匂いにパニック」になった瞬間だった。(あ、あと古着の脇の臭いも)
イギリスの田舎町。
緑と霧に包まれた牧歌的な景色。
出逢いは突然だった。
「牛がダメなら羊でいいじゃん?」
という、あまりに軽いノリで寮の食卓に並び始めた“ラム”。
そう、当時は狂牛病パニック真っ只中。
スーパーから牛肉が姿を消し、
結果、寮のごはんはラム祭り開催中だった。
初対面の感想:
え、くっさ!!!!(開口一番)
え、うそ、誰がこれを好んで食べるわけ?
15歳の私にはあまりにも衝撃的な味。
口に入れる前から香る牧場。
一口食べると、口内が“草原 with スパイス”で満たされる。
しかもそれが週に3回、いや、体感週5。
朝のトーストの横にも、
昼のサンドイッチにも、
夜の煮込み料理にも──
常に控えめに主張しない、“全力ラム”。
私は祈っていた。
「どうか今日は鶏肉であれ」
「できれば謎豆であってくれ」
「いやもう、ジャガイモだけでもいい」
でも現実は無情。
羊。
また羊。
そして、羊カレーという最終形態。
事件は、一時帰国してから起きた。
友達と食べたキッチンカーのケバブ。
なにげなく手に取った瞬間──
鼻の奥がピクッとなった。
え、
これ…あのときの香りじゃん?
…うわ、懐かしい。
…てか、
…あれ、ちょっと好きかも。
あんなに臭い!無理!って言ってたのに、
今ではジンギスカン屋を見つけると小躍りする始末。
あのクセの強さ、
あの野性味、
そして食後の微妙に残る口の中の“放牧感”までも、
ぜんぶ懐かしくて、愛おしい。
人間、
慣れと記憶が融合すると、嗅覚が恋をする。
あの頃の私は「羊=罰ゲーム」だったけど、
今は「羊=青春の香り」。
口に入れると蘇る、
サンドイッチの昼休み。
霧の中の校舎。
そして、ちょっと切ない15歳の私。
【英国留学】どんだけ田舎って?教えましょう
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