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「ごめんよお、そあら。あたしから約束したのに遅れちゃったよ。だめだなぁ、夏休み期間は生活が乱れちゃって、夜更かしして映画みてて」

 およよよ…とぽんこつな表情をしながら生駒(いこま)凪月(なつき)が弓道場に入って来た。

「あ、いいよ。あたしも今日は早朝しか出れないから、なっつんと約束しなくても来る予定だったから」

 大丈夫だよと倒れこんでる生駒のアタマをなでなでしてあげた。

「あ、そうか。そあら、今日なんだね、いよいよ」

 何かを思い出したのか、生駒は立ち上がった。そして更に叫ぶ。

「すごいね、メジャーデビュー!」

「なっつん。色々語弊があるよ。まずメジャーじゃないし、デビューするわけじゃないし」

 そあらはそう否定するといったん弓を置いて水筒の麦茶を飲み始めた。

「いや、デビューでしょ。だってミュージックビデオのバックダンサーでしょ、そあらすごいよ!」

「もう、あんま大げさに言わないでよ。緊張してるんだから」

 生駒も水筒のスポーツドリンクを飲み始めた。急いで走ってきたので、彼女は汗だくだった。

「なんかさ、心を鎮めたかったのよ。わたしって、すごいわがままなんだよね。認められないとすごく悔しいのに、いざチャンスが来ると怯んじゃう。わたしなんかで大丈夫なのかって、お腹が痛くなっちゃう。矛盾だよね」

「そあらは真面目なんだよお。ちゃんと向き合ってるから、なんかさ、油断しないタイプっていうのかな」

 生駒が真剣にフォローしてくれて、心が少し軽くなった。これは有難いことだ。生駒は更に熱っぽく語ってくれた。

「そあらは泣かないから。あたし見てよお。すぐ泣いちゃうでしょ。たまには弱さも必要なんだよ」

「ホントになっつんは泣きすぎだよね。ありがとう。うれしい」

 そういってそあらは水筒を置き、再び弓を手にとった。

「…弓構えから残心までの時間は、他のことを考えなくていいって神様から許しをもらえる神聖な時間…」

 そして、こんなことを呟いた。