ちえりパステルガァル!
ライトノベル版ダイジェスト
⇨特別版『ふたりはプリキュアMilkyWay&ちえりパステルガァル!スペシャル・ハーモニック』 


 「アタマにつけるべきなのよ!!」

 彩鳥通町中学二年、演劇部所属の瀬々良木るりかは自分の部屋で唐突に叫んだ。

 【パステルワールド】の使者、【ぱれっと】たちは、るりかのいきなりのシャウトにびっくりした。

 【ぱれっと】は、頭も体も丸いフォルムで全長がわずか30~40cm程度の大きさだ。左耳は大きく絵の具のパレットのような形をしている。動いたりしゃべったりしなければ、ぬいぐるみにしか見えない。

 その隣には、英(はなぶさ)ちえり。そして、もう一人の使者【かあら】もいた。

 【かあら】の方はネコ型で、絵の具のチューブみたいなコスチュームを着ている。

「どういうことなのカラ?」

 その【ぱれっと】がるりかに聞いた。

「つまりね、仮にこれをユニットネームと呼ぶことにするわ。例えば、プ*キュアなら『キュア』なんたらって『キュア』が頭につくでしょ」

「た、たしかにそうれす」

 ごくりと【ぱれっと】はツバを飲んだ。【かあら】は反対にあきれ顔をしている。

「でもあたしたちは、チェリーだの、ラピスだの、ユニットネームがないじゃん。これは、あたしたち【パステルガァル!】の志気に関わるわ! 何か良い案ないかしら? って話よ」

「かんがえましたー!」

 ちえりが元気いっぱい挙手した。

「はい、ちえり!」

「『ハナブサ』チェリー」

「それはアンタの名字でしょ! あたしゃハナブサ・ラピスか!? 家族か!」

 ぐいーんと、ちえりのほほを引っ張る、るりか。

「無難に、パステル・チェリーってのは…」

 【ぱれっと】がおそるおそる発言した。

 るりかがはぁ~っと溜め息をつく。

「それしかないか。なんちゅうか、『キュア』みたいにビシッと決まらないのよね~、『セーラー』でもないしさぁ」

「じゃあ、キュア・チェリー!」

と、満面の笑みでタブー的発言をしたのはやはり、ちえり。

 るりかは伸ばしているほっぺをさらに横に引く。

「キュア・ダメ・ゼッタイ!」

 ちえりの頬をいったん離したるりかは、マシンガンのように語りだした。

「まかり間違って来期のプリ*ュアで同じネーミングだったら、シャレにならん! だいたい2012年度の作品なんか、超ニアピンで危なかったのよ! いーい? ガン*ムといっしょで先に映像化されたものが、公式(オリジナル)なのよ! わかる? いくらこっちのが早かったと言っても負け犬の遠吠えよ」

 第三話では、登場しないキャラだが、とうとう名前がかぶってしまった。しかも名字もギリギリだ。炎も使うし、危なかった。社会的に抹殺されるところであった。世の中、力こそ正義なのだ!

 …っと、語り手が取り乱すとは失態…それはさておき。

「あ、【ぱれっと】! 今日ね、これ光ったんだよ」

 ちえりは首に下がった桜色の【パステルオーブ】を指さす。

「なんと!?」

 【パステルオーブ】が光ったと聞いて驚くぱれっと。

「どうゆうこと?」

 怪訝な顔のるりかに、かあらが解説をした。

「この【パステルオーブ】は色を統べる白の姫、【プリンセスホワイト】の加護をうけてるカラ。
 パステルガァル!が現れたときに、オーブが光るようになっているカラ。でもちょっと反応が不安定なのカラ…」

「なるほど! 展開的に3人目の仲間が現れた可能性が高いってことね」

 納得する、るりか。

「てんこーせーがきたら光ったから、その子かな」

 確かにタイミング的に、分部みつばが教室に入って来てから光った気がする。

「展開的にね」

 くけけけ、とるりかは不穏な笑みを浮かべた。

「【ダークネスキング】は色の源の【パステルオーブ】を四つの色以外、すべて奪い、洗脳したのれす」

「四つの色は大丈夫だったわけね」

「そう、桜色・瑠璃色・はちみつ色・朱色の四色カラ。【プリンセスホワイト】はこの四色を守るのでせいいっぱいだったカラ」

「四色だけじゃ太刀打ち出来ないから、人間に力を借りることにした。それがあたしたち、パステルガァル!ってことよね」

 かあらはコクリと頷いた。

「新しい仲間に、はちみつ色か、朱色の【パステルオーブ】を近づければ、どっちか鮮明に光るカラ!」

「ちえり、まずはその転校生にうまく取り入るのよ」

「アイアイサー!」

 ちえりは、「取り入る」って何? と思ったがすぐに忘れてしまいました。