ちえりパステルガァル!
ライトノベル版ダイジェスト
⇨特別版『ふたりはプリキュアMilkyWay&ちえりパステルガァル!スペシャル・ハーモニック』 


 「ちえりちゃん、みつばちゃん、あかねちゃん、大丈夫だった?」

 変身を解いたグリーンこと、かえでが、三人の少女に話しかけた。
 

「あんた…消えなかったのか」

 あかねが言った。あかねはまだ、いろいろと半信半疑だ。かえでが生きていたことも、パステルガァル!になったことも。そして、味方であることも。余りにも唐突な出現に頭が整理できない。

「ど、どういうことなんれすか?」

【ぱれっと】も全く状況が飲み込めない。

「びっくりしましたわ! しかも…」

「パステルガァル!になったカラ!」

 彼女が変身した姿は、以前の黒いレオタードのような、【ダークネスガーディアン】ではなく、れっきとした爽やかなパステルガァル!の衣装であった。

「うん、わたし、パステルガァル!になったの」

 そして、少し、怯えたような、自信がないような上目遣いで、三人を見る。

「…これからみんなと一緒に戦ってもいい?」

 一瞬の間があった。

「かえでちゃん」

 と、ちえりは言うと、真顔から急にくしゃっと笑顔になった。

「にひ!…おかえり!」

「…! ただいま!!」

 涙目になって、かえではそう応え、ちえりを抱きしめた。

 「翡翠森かえで」をちえりは受け入れてくれたようだ。
 いや、例えば、まだ【ダークネスグリーン】だったとしてもちえりは受け入れてくれたに違いない。
 それが、英ちえりだからだ。かえでは、そう思った。

「あ、ちょっと、あの陰で気絶しっぱっなしの先生どうする?」
 あかねが、ハッと思い出した。
 確かに全員忘れていた。そもそも、この女性教諭が襲われそうになったところを駆けつけたのであった。

「ね、ネッショウチョウで倒れたことにしちゃえばいーと思います」

「ちえりさま! それを言うなら熱中症ですわ!」

「しかも、歌ってどうする」

 あがねが突っ込んであげた。たしかこの間違えは二回目だった。

 とりあえず、先生を起こしたガァル!ズ。すべての出来事を憎い真夏のあんちくしょうのせいにして、すべて幻、気のせいだったと言うことにさせた。外傷がなかったのも幸いしたかもしれない。



 ここは、パステルガァル!たちの拠点、みつば邸の「対暗黒色守護精霊討伐会議」拠点…通称【ビーハイブ・セントラル】。パステルガァル!たちのきめ細かい戦略はすべてここ、セントラルで決定的されているのだ。


「って、うちに来るなりなにを解説してるんですの? るりかさん」

「ええ? 大事なことよ。ビーハイブ…つまり蜂の巣。ハニーんちだけにね。…ひゃっひゃっひゃ! グロロロロロ」

「また、なし崩し的にうちが活動拠点…」

「ふん! うらむなら、この金持ちっぷりを恨みなさい!」

「こうやってすぐに集(たか)る庶民は本当に意地汚いですわ」

「その差別的な発言は、瀬々良木フィルターを通すと『どうぞ、つかってください』に変換されるんだけど、良いかしら」

「もう、どうぞ、お好きに…」

 お盆明けにパステルガァル!たちは集まった。るりかがいない間にあった一連の出来事と、るりかのおみやげをもらうという名目で。まあ、後者の理由が90%以上なのだ。女子たちの移ろいやすいモチベーションを維持させるにはモノで釣るという作戦が結果、一番効果的なのだ(笑)。

「はい、じゃあ、みんなにおみやげね。いやー、つうかね、あたしもいろいろあったのよ、この3日間。まあ、最終的には成長したっつうか? パワーアップしたっつうか? さらにワイルドでグレイトな…」

「るりねーまず配ってよ」

「ゴホンっ。せっかちねーあかねは。まあいいわ、じゃあはい、ちえり。はい変なキーホルダーね」

「わーい。ありがとう!」

 英ちえりは、よくわからないキーホルダーをもらったが、とりあえずもらえるので、ひたすら喜んでみた。

「みつばは…あった、これね、甘いお菓子ね。黄色系は食いしん坊ってのが定番だから」

「また! わけのわかならいキャラ設定を! でもお菓子好きは否めないですわ。嬉しいですわ」

 結果まんざらでもないって話だ。しかも拠点を提供してくれているので、量が山盛り。悪くなかった。

「で、あかねはこれ。はい、木刀。 え? なにそのシラけた顔。っておい! 痛い! 小突くな!」

 今更、木刀などもらって、どうしろというのか。とりあえずこの木刀で誠心誠意つっこもう、とるりかの脇腹を攻めた。

「えーと。で、かえでねーさんのは…アレ? やばい…かえでねーさんの分わすれたっぽい…」

「あ、別にいいのよ」

「いやいや、そうもいかないっすよ…ってぇぇぇぇぇぇ! うおぉぉおおぉおおぉいぃぃ! なんでグリーンがいるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 るりかにとって、自己新記録の長い長いノリツッコミであった。