ちえりパステルガァル!ライトノベルまとめ目次第1話「ちえり編 」←ママ、せかいへいわしちゃっていいですか?まさかの懇願系変身少女!
第2話「るりか編 」←只今、執筆中!
特別版『ふたりはプリキュアMilkyWay&ちえりパステルガァル!スペシャル・ハーモニック 』
「チェリー! 覚えてまつか? さっき教えたあの技れす!」
【ぱれっと】は決め手の超必殺技を敵に放つように、チェリーを促した。
ところが、彼女はぷいっと【ぱれっと】から顔を背ける。
「どうしたカラ?」
かあらもチェリーの異変に気が付き、問いかけた。
「だって…、あの子、たおしたら、しんじゃうの?」
あの子、とは、【ダークネス・ラシト】のことか?
「チェリー…」
思わず振り返ったラピスラズリには、当然スキが出来た。
しかも【ダークネス・ラシト】を引きつけようとしていたのだから、当然敵の攻撃は彼女に集中する。
「んごー。アズキック!」
大きなクマ型の大きな足は、そのまま踏みつぶすように、ラピスラズリに襲いかかった。
どか。
「ぎゃふーん!」と悲鳴を上げながら、小豆グマの足の下敷きになる。
「ラピちゃん!」
【かあら】も悲鳴をあげた。このまま潰されてぺちゃんこになってしまうのでは。
「…あの子…おくちこわいけど、いいこだよ」
チェリーは、戸惑いの中で、否、彼女はしっかりとした意思表示をした。
とはいえ、状況が状況だった。絵の具ネコ【かあら】はチェリーの、のんきな反応に思わず声を荒らげる。
「ゆーちょーカラ! 小豆色のガーディアンは、【ダークネス・キング】に洗脳された悪者カラ!」
「…チェリー」
【ぱれっと】はチェリーを見つめたが、彼の眼差しは彼女に対して困っているようなものではなかった。
倒すことイコール死なせてしまうことではない、という彼女の誤解を解きたいのだ。
「大丈夫れす! 【ダークネス・ガーディアン】を倒しても、彼らは【パステル・ワールド】ですぐに再生するのれす」
彼らのコアである【ダークネス・オーブ】を砕くことによって、暗黒の王【ダークネス・キング】の洗脳がとける。
砕かれたオーブは、もとの純粋な【パステル・オーブ】となり、色の源の世界、【パステル・ワールド】で再生するのだ。
ガーディアンはこの色の源の【パステル・オーブ】を守護するものであるから、オーブから離れることは出来ない。
オーブが砕かれて【パステル・ワールド】にて再生したなら、理屈としてガーディアンもパステル・ワールドへ強制送還されてしまうという話なのだ。
「この世から小豆色がなくならないように! ガーディアンもなくなりまてん!」
たぶん、今、あたしがこんな重量に耐えていられるのは、パステル・ガァル!に変身しているからだ。
ラピスラズリは這いつくばりながら、そう思った。
多少は痛いが、耐えられない程ではない。ただ、面積の広い大きな小豆グマの足に抑え込まれて、動けないだけだ。
さて、どうしたものか。彼女は得意のスーパー妄想モードで、瞬時にセルフ・ミーティングを開会した。
今の【ぱれっと】の説明はチェリーには少しわかりにくかったかもしれない。あれでは、彼女を戦わせる動機にしては弱いのだ。
でも、今ここでチェリーが戦わなければ、結果負けてしまう。
「すみれ、見てなさい。あたしのエチュードは定評があるんだから! そう、ピンチであればあるほどね」
ラピスラズリは心の中でそう叫んだ。
チェリーが理解できて、戦意をもたせる言葉を、一瞬で…一言で!
「チェリー、この子は迷子! だからおうちに帰してあげるってこと!」
ラピスラズリは全力で叫んだ。
「…わかた。 チェリーステッキ!」
チェリーはそう叫ぶと、いつの間にか消えていた彼女の【パステル・ウエポン】であるステッキが再び姿をあらわした。
エチュードとは、即興劇だ。キャラの性格、立ち位置、ストーリーの方向性を瞬時に判断し、最適なセリフを考え演じるアドリブの劇。演劇練習の基本であり、真髄。キャラクターや世界観への感情移入と、客観的な判断と、瞬時の機転と、先の展開と、そして度胸。そのすべてが必要なのだ。
ラピスラズリのエチュードは、確かにチェリーの心に響き、彼女を動かすに至った。