★ライトノベル版 ちえりパステルガァル!
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「あら、やはり【プリンセス・ホワイト】側につくパステルガァル!は、そうやって反抗するのね」

【ダークネス・グリーン】は再び、冷笑した。


「たーいむ! ちえり、ママに聞いてくんね! 大丈夫、すぐ戻るから!」

そういうと、パステルガァル!のカッコのままで、ちえりはてっててーと、公園を抜け、あらぬ方向へ全力疾走。

取り残させる、ふたり。


「「…は!?」」

【ダークネス・グリーン】と【ぱれっと】はその場で呆然となった。


「ママ!」

ダンダンダン!


階段を駆け上がる音。


アパートの2回がちえりの家だ。


娘が玄関のドアを勢い良く開け放った。


「おかえ…り…って、ちょっと、アンタ、なんだその格好」

新しい、新しいぞ、娘。

帰宅かと思いきや、コスプレか!?

目の前のわが愚娘、ちえりは、ピンクを貴重としたフリフリなコスチュームをプレイしておられる。


「わかった。つぐみとまたアホなゴッコ遊びしてるんだろ!?」


「うぅん、違うの。せかいが、まっくろになっちゃうから、ちえり、たたかうことにした、いい?」


「あ? 正義の味方ってこと?世界平和的な?」


「うん、せかい、へーわ。いい?やっても?」


あまりの唐突で、突飛な発言に、開いた口が塞ぎきらない。

今度は何の影響だか。


「……宿題、ちゃんと自分からやる?」


「う、うん」


お、珍しく、娘があまり躊躇しない。

結構固い意志なのか。


「夜は早く寝る?」


「ね、寝る!」


これは…こいつマジか?


「夏は夕方6時までに帰ってくる」


「うんうん! だからいい!?」


「あんた、ホントだろうね? 約束守れない人間は、世界平和できないよ!!」

ちえりの母親は、最後にだめ押しで一喝入れてみた。


「やくそくまもる!!」


「約束やぶったら、とりあえずラスボスはママがぶったおして、設定を台無しにしてやるからな!」


「わかた!」

わかたのか、パステルガァル!


「そう、なら、世界平和してよし!」

そういうと、親指を立てて、ちえりに微笑んだ。


「ママ、ほんと!? あざーす!!」

バタン、と今度は扉を勢い良く閉めたかと思うと、階段を駆け降りていった。


「世話しない子ねーホント」

そう言って母親は煎餅をボリボリと食べはじめた。


英ちえりにしてみれば、パステルワールドのシステムも、事情も、ましてや状況も、よくわかっていないであろう。

しかし、ただ一点、「この世界を真っ黒になるのは嫌だ」その一点のみで彼女は、戦う決意をした。


それは、彼女の持つ動物的本能なのか、人間としての理性なのか、人を思うがゆえの感情なのか、あるいはそのすべてを持っての意思、なのかもしれないが、とにかくこの時の彼女の決意は、パステルガァル!の、すべての、スタートであった。


だから、これからこの物語がたどる運命は、ものすごくシンプルなのだ。


それは、この世界が【暗黒】になるということ。


ところが、そうはさせまいと、立ち上がる少女がいた。

彼女は世界が物理的に暗黒になるのを阻止するため、学校が終わったあとの習い事や、部活動、または宿題、家事手伝いの合間をぬって、【黒】になりたくない他の色の【ガーディアン】とともに力を合わせて、戦うのだ。


【色】が持つ力なのか、それとも彼女たちの思いが【色】となって強くなるか。


ともかく、彼女は、時には世界の危機と天秤にかけてしまうくらい、友達で悩んだりしては、戦うであろう。
世界平和と同じくらい、宿題だってやらなきゃいけないときもある。


何度もいうが、この物語がたどる運命は、ものすごくシンプルなはずだったのだ。

しかし、この少女のせいで、そうも行かなくなってしまった。


この物語は、世界を名実ともに【暗黒】にさせまいという、


小さな娘たちの、大いなる物語である。