★ライトノベル版 ちえりパステルガァル!
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★特別版『ふたりはプリキュアMilkyWay&ちえりパステルガァル!スペシャル・ハーモニック
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「みなさん、さようなら」の声が6年3組の教室に響き渡ったのが、一時間前。


いわゆる放課後の時間帯なのだが、ちえりはまだ自分の席に座っていた。


見ればスポーツ刈りの男性教諭と対峙している。


ちなみに男性教諭のもみあげは、きっちり耳の前で斜めにカットされていて炭酸水のようにシュワっと爽やかだ。


黒縁メガネは彼のフェイバリット・アイテムであり、実はラメ加工されていてレンズコミコミで5000円くらいの安物とは格が違うのだ。


その担任のもと、ちえりは忘れた宿題を居残りでやらされていた。

さすがに教室は閑散としていて、もはや友達たちは誰もいない。


「ちえりちゃん、この分だとあと15分くらいだね。それじゃ先生、ちょっと玄関行って来るね」

腕時計を覗きながら担任はそう、ちえりに告げる。


「誰か来るの?」


「そ。転入生だよ。手続きとか、いろいろとゴタゴタしてるから、すぐには転入しないけどね。なんでもフランスに、いたんだってさ。短期間みたいだけど」


「フランスじん!?」


「いや、日本の女の子だよ。まあ、近いうちに転入してくるから、お楽しみに! んじゃ、ちゃんとやるんだよ」

そういって担任のスポーツ刈りの男性教諭は、ちえりを教室に残し、出ていった。


「あ! ちえり、ぬいぐるみと遊ぶ約束してんだった! 早く宿題やらなきゃ、なのです!」

はた、と、ちえりは思い出し、彼女なりに頑張っているスピードで漢字の書き取りをはじめた。




「と、ゆーことでおくれちゃったの」

ちえりがそう語りかけた視線の先、屋根付きの家の形をした二階建て滑り台内蔵遊具の上には、しゃべるぬいぐるみ、【ぱれっと】が鎮座していた。


ここは、公園。

初夏だから、4時近くなっても日は傾かない。


公園、とはいってもボール遊びができるほどの大きさはない。

真ん中には屋根付きの可愛い家のような作りの遊具があり、階段を上がり二階部分に設置された螺旋状のミニ滑り台から降りてくる、といった趣向のものが付いているという、低年齢層むけのものがひとつ。


それ以外には敷地内の端っこに公園を横断する長いうんていや猫の額ほどのというか、実質猫のトイレ用の砂場があるくらいだ(残酷)。


うんていが目立つため、俗称として【うんてい公園】というイージーなパブリックネームがシェアされていた。


目立ちそうな【ぱれっと】だが、この公園はマンションの裏にあるし、彼自身は遠目にはぬいぐるみしか見えないし、タイミング良く、遊具で遊ぶ子どもがおらず、結果オーライだった。


「大丈夫なのれす。こっちもこっちで、いろいろと調べていたのれす」


そういって首からぶら下げていた丸いアクセサリーの蓋を開きながら、なにやらピコピコといじっている。


「ちえりさんに、このさくら色の【パステルオーブ】を渡しておきまつ」

そういって、【ぱれっと】はちえりに【パステルオーブ】を授けた。
淡いピンク色をした、球状の宝石のようだ。


「! さっき変身したときのやつだ!これ、ちえりにくれんの?」

そういってちえりは早速【パステルオーブ】をぶつように、パシンと衝撃を与えた。【パステルオーブ】は瞬く間にステッキの形状になる。


「あ、ちえりさん、むやみやたらに変身しないでくだたいっ…て、あああ」

【ぱれっと】が止めるまもなく、ちえりは面白がって【パステルガァル!】に変身をしてしまった。変身バンクどころではない。


「すごい、また変身できた!」

ちえりは【パステルガァル!】うんぬんよりも変身できることに大変魅力を感じているようであった。


一瞬で服装などが変わるわけだから、確かにそうだ。


「そういえばちえり、さっき黒いおっさん倒したもんねー!ちえりは強いのです」


「…黒いおっさんはクロコといいまつ…」

などと、いっこうに話が進まずに、やいのやいのちえりと【ぱれっと】で揉めていると、急に辺りがトーンダウンするかのように暗くなった。



「!!」



【ぱれっと】が小さく唸り、反応した。



「ウフフフフ…あなたがさくら色の【パステルガァル!】ね…!」

頭上から、女性の声がした。


緑の翼がはえた黒いレオタード姿の女性が空中から降りて来た。


髪は長く、同じく緑色をしている。


耳の形状はおとぎ話に出てくるような妖精のように横に長く、先端は尖っていた。