小さな花と大きな木☆パリ帰りグルメ猫とピアノ日記 in 宮崎-080903_1718~02.jpg
最近すっかりお笑い猫ブログになっているので(笑)、たまにはピアノ弾きらしくピアノの話題です。

我が家には2台のピアノがあります。1台は写真のピアノ。まだ付き合いは5年ほど。スタインウェイのフルコン、コンサートグランドです。人生最大の買い物です!
と言っても、詳しい方ならばお気付きかもしれませんが、このスタインウェイのロゴと字体が現代の物とは違います。このスタインウェイは凡そ40年前に製造されたピアノ。それをオーバーホールした中古です。中古でもやっとこさ買ったのですが(^▽^;)
その筋の方から紹介して頂いて巡り会ったのですが、スタインウェイ独特の響きの良さ、伸びやかで澄んだ明るい響き、そして深みとダイナミックさがあり、とても気に入っています。まさに雷鳴からナイチンゲールの歌声まで表現可能な楽器です。このピアノに出会い、毎日自分の楽器として弾くようになって改めて“ピアノって力で弾くんじゃないんだ。本当に軽いタッチで音が出るんだ”と体感しました。




もう1台はこのスタインウェイの右側に並んで置いてあるボストンと言うグランドピアノ。このボストンは私がパリ留学時代からの付き合いなのでもう10年以上の相棒。私のパリでの喜びと涙を共に味わった子です。
分かりやすく例えるならば、スタインウェイの方が飛びっきりの絶世の美女だとすれば、ボストンは全てを知り尽くし合った味わい深い古女房みたいな感じです。(変な例えでスミマセンf^_^;)



このボストンは決して弾き易いピアノではなく、最初の頃はちょっと音がこもり気味だったのですが、だんだんと深い温かみのある響きを出してくれるようになり、このピアノのお陰で私は“ピアノの音出しの仕方”を本当に習得したと思います。言ってみればご機嫌屋さんなこの子。貧弱なタッチではもちろん太刀打ち出来ませんが、無理な力が少しでも入るとたちまち固く口を閉ざしたように響かなくなります。調律師泣かせなピアノとも言われました。
この子を響かせる事が出来るようになった時に、私は多くのものを得たと感じます。値段的な価値から言うとスタインウェイの半分以下ですが、私にとっては大切な相棒です。
2台の大きなピアノが置ける場所があったことにも感謝です☆ちなみにこの部屋だけはノアゴン達も立ち入り禁止(^w^)




思い出のピアノ。今までコンサートや試験、コンクールで弾いたピアノそれぞれにいろんな思い出があるのですが、まず思い浮かぶのはパリのマレ地区にある教会でのコンサートで弾いたピアノ。この教会自体がとても歴史があるらしいのですが、主催者の説明を聞いてびっくり! そこに置いてあった美しいマホガニーのピアノはフランスのエラール社製で、なんと作曲家のセザール・フランクやプーランクも弾いた事があるピアノだと言うのです! 早速その歴史を背負った赤茶色のピアノを弾いてみると、教会の高い天井にピカ~ンと繊細な輝きを持った響き渡る音色にうっとり☆
フランスのピアノ会社、エラールやプレイエル、ガヴォーはかつてはこんなにも素晴らしいピアノを製造していたのです。現在は経営の問題等で殆んど製造される事はなくなってしまいましたが。



もう1台。それはパリから帰国する前のコンサートでのピアノ。私の通って居た音楽院のホールのスタインウェイフルコン。これは素晴らしくよく調整されていて響きも最高でした。シューマンのクライスレリアーナとスクリャービンの24の前奏曲を弾きましたが、今まででも特に最高の出来の思い出に残るコンサートになりました。



その他、海外では日本のようにピッチリと調整されたピアノはなかなか無くて、どちらかと言うとダメダメピアノにびっくりさせられて、どのように乗り切るかに苦心した思い出の方が多いです。
リハーサルでペダルが取れたり(!)、鍵盤が割れている所があったり、押すとそのまま上に戻って来ない鍵盤があったり。。。
パリでの先生のお宅にあった年期の入ったブリュトナーとベーゼンドルファーインペリアル(普通のピアノよりも鍵盤の数が下に1オクターブ多い!)もとても懐かしいなぁ。どちらも手強いピアノでした(^_^;)




状態の悪いピアノでも頑張って弾いた後に、心が伝わったと熱い感動や感想を言いに来てくれる人が居たり、時には涙してくれる人も居たりして、そんな時は本当に嬉しいのです。でも、本当に自分の音楽性とピタリと合ったピアノと巡り会えた時、それはピアニストにとってはものすごい喜びです。



ピアノは私にとって、様々な感情を語り、人生の友であり、音楽を通して世界中に旅に連れて行ってくれるもの。
友達であると同時に飛行機の年間チケットみたいです(笑)
だから、大切に大切にしているのです。自分のピアノでなくても大切にされていないピアノを見ると悲しくなります。ピアノの上がぐちゃぐちゃだったり、平気でテーブルがわりに飲食物や灰皿を置いたり、弦が切れたと誇らしげに語る人が結構いるのは(腱鞘炎や指から血が出る弾き方が間違っているのと同じように、よっぽど古いか複数の人が弾くピアノで無い限り、弦を切るような弾き方は間違った弾き方と確信しています!)残念なことです。

私には他に何はなくともピアノだけは大切にして居るのです。


それでは皆さん楽しい週末を~(^∀^)ノ