友人が表紙に惹かれて買った本を貸してくれました
それが「カフェーの帰り道」
和服のような柄と色使いの表紙は、確かに魅力的で手に取りたくなります
第174回直木賞を受賞したこの本
めっちゃよかった
貸してくれた友人に感謝です
昭和初期から始まり、終戦後まで続くのですが
カフェーの様子
太平洋戦争の落とす暗い影
女性の生き方
そんな要素が時代背景と共に、カフェーで働く女給さんたちを通して描かれています
女給さんたちの率直な感情が淡々とつづられていて、彼女たちに共感しながら昭和を旅しました
枕草子や方丈記にも感じましたが、時代が変わっても言ってる内容は今と変わらない気がします
どんな時代であろうと、感情はきちんと心に響いてくる
カフェーの帰り道も、今現在を生きる自分に充分響いてきました
どんな日常であれ
その場に生きる人々の生活は、切り絵のように、くっきり美しいものだと感じました
この本が、京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」と似た空気なのは、単に時代が近いせいなのか
文章が同じ匂いなのか
昭和初期のお話なので当然なのですが、テレビもスマホも出てきません
移動は徒歩です
もうこの時代には二度と戻らないのだなと思うと、なんだか涙が出てきます
その時代が良かったという理由ではなく、単なるノスタルジックな感情です
支払いは現金のみで
日常を着物を着て過ごし
火を起こしてご飯を炊く
今の時代は、ボタンひとつで済む世の中になりました
けれど、仕組みがわから無いまま便利なものを使うツケが回り、サイバー攻撃だ情報流失だという事件がたくさん起こっています
もはや生活自体が自分たちの手を離れ、知らないところで回っている感じです
けれどこの本には、生活が人の手で行われている実感があります
それが懐古的な感情になる理由なのでしょうか
21世紀の今を知り、昭和を知る自分には感慨深かったです
戦後生まれですけどね
嶋津さんの本
とってもよかったので、他の作品も読んでみようと思います



