日々の診察で、飼い主さんから猫のお看取りについてのご質問を受けることがあります。いろいろ考えまして、飼い主様向けのターミナルケアのマニュアルを作りました。「あなたの猫チャンが安全に天国に行く方法」を、獣医師としてのこれまでの経験と論文や教科書(なかなか記載がないのですが)などをもとにまとめました。

 

こちらは後編ですが、前編後編をまとめ、さらにご質問に対するお答えを追加したものをPDFにして当院のHPに置いてございます。ご利用ください。

 

 

口の中や肉球が真っ白…変なにおいがします

・全身の機能低下で、酸素欠乏や老廃物(体にとって有毒な物)が溜まり、皮膚や粘膜の色が変化することが有ります。また、血の巡りが悪くなる、あるいは低血圧や貧血にもなるために口の中や肉球が白くなります。

 

・体臭や排泄物の臭いにも変化が有ります。

 

・これらの血圧や体温の低下、呼吸が不規則になるなどは天国に旅立つための自然な体の反応です。

 

 

食べられない、水も飲まないので心配です。

・病気(老衰)が進行してくると、その病気とともに全身の機能が低下するため、食事や水分を摂らなくなります(絶食)。摂っても体内で処理できないからです。

 

・食べるもの(食べられるもの)を食べやすい大きさにして与えてください。

 例:お刺身、ちりめんじゃこ、焼き海苔、茹でささみ、鯖の水煮缶(人間用)、出汁、子猫用ミルク、アイスクリーム、、、

 

・食べない場合、無理強いは禁物です。食べ物を喉に詰まらせたり気管に入ってしまったりする危険が有ります。

 

・脱水や絶食は最期に向かう準備のためです。これらが苦痛の原因になることはほぼありません。むしろ苦痛を和らげると言われています。この時、過量の点滴をすれば、それを処理できずに胸に水が溜まったり、腸閉塞や心不全、あるいは肺の血管が切れ、血の泡を吹きだす可能性もあります。つまり、地上にいながら溺れて苦しんで亡くなるのです。

急に元気になって食べだした!

・長く病気を患いもう3週間ほども食べていなかったのに、あるとき突然と元気食欲が出て、あれこれ食べ始めることがあります。これは人間にもあることです。

 

・周囲の人はひょっとして快方に向かうのでは…と思うのですが、これは中医学的には「仮神」と呼ばれるご臨終の予兆です。ちょうど線香花火が最後に激しく燃えつきて火の玉が落ちる様子に似ています。