これからは少し、ネピアの生い立ちについてお話しします。

 

ネピアのお母さんは、『キャンティ』という名前の猫でした。キャンティは、メインクーン(母)と、コンビニのゴミ箱に捨てられていた雑種猫(父)との間に生まれました。キャンティの兄弟のひとりが『カッツ』という名前の雄猫で、彼は、今でも私が飼っています。

 

私が獣医師になって2年目のとき、自分の勉強のためにもキャンティに出産してもらおうと考え、キャンティの実家にいるメインクーンの雄とキャンティを交配させて、5匹の子猫が生れました。

 

その日、私が仕事から帰ってくると、キャンティがなぜか得意げに私に近寄ってきて、大きなゴロゴロ音を発していました。『私偉いでしょ!やったわよ。』とでも言っているようでした。そして、段ボールの中を覗くと…生まれていました。

 

猫の出産で5匹は多い方です。そのしわ寄せが、1匹に集中して不幸な結果になったのでしょうか?その後、授乳している姿を見ていると、1匹だけおっぱいにありつけず、少し離れたところで転がっているという状況を、しばしば見かけました。

 

 

ある日、左の後ろ足がパンパンに腫れて、動けなくなっている1匹を見つけました。それが、ネピアでした。腫れているところにメスを入れると、膿が大量に出てきました。その時、白い塊が2〜3個、膿と一緒に出てきました。後から気づいたのですが、それらは骨や靭帯だったのです。

 

この膿は、細菌感染によるものでした。抗生物質を使って細菌を退治した後には、膝の関節にある靭帯や小さい骨など、膝を曲げるための装置は全て無くなっていました。その結果、ネピアは、膝を曲げることが出来なくなりました。

 

さらに、大腿骨(太ももにある骨)の成長端(体が成長するとき骨を縦に伸ばす拠点)というところも無くなってしまったため、その後、体格が大きくなるにつれて、左右の足の長さも違うこととなりました。