
いろいろ書き足していたら目次の項目が増えてしまった。
今回はシリーズの第6回目となる。
このシリーズの全編の記録はこちらで。
前回の記事では、中曽根が行革のための諮問機関「第二臨調」を作り、経団連会長の土光や伊藤忠の瀬島らと社会党とその支持母体である労組「総評」を潰すために国鉄を解体・民営化しようとした件を解説した。
これは中曽根が進めた「三公社民営化(国鉄・電電公社・専売公社の民営化)」の一環だったが、その背景には日本の市場開放・対米輸出の削減を求めるというアメリカの「対日指令書」があった。

本記事ではもう少し「第二臨調」が何だったのかにフォーカスしたいが、その前にアメリカから「売国しろ」との発注を受けた中曽根自身がCIAエージェントと深いかかわりがある、つまり彼自身にCIAエージェント疑惑があることをお伝えしたい。
1983年の国会質疑から引用していく。
共産党の議員が「中曽根自身がCIAエージェントと深いかかわりがある」疑惑を追及している。
これは前年1982年に別の共産党議員・佐藤昭夫の質疑から明らかになった疑惑だ。
自民党総裁選のさなかに、中曽根は改憲や軍拡を明記した自身の政策パンフレットを、CIAエージェントのナサニエル・B・セイヤーに英文翻訳してもらい、国務省および国家安全保障会議、そして外国人特派員に配布したという事案についてとなる。
パンフレット配布後、それにこたえるかのようにシュルツ国務長官が、「日本の総理は防衛庁長官をやった人がいい」と日本の財界人などにも述べ、候補四人の中から中曽根支持を打ち出した事実がある。
佐藤議員は「次期総理・総裁としてレーガン政権のお墨つきをもらおうとする対米支持工作の目的があったのではないか?」「翻訳者のセイヤーとはいったいどういう人物でどういう関係か?」との質問し、対して中曽根は以下のように答える。
上記の質疑の5か月後に、再び別の共産党議員に同じ追及をされている。
後藤田が必死に誤魔化すのも無理はない。
後述するが、後藤田自身もCIAエージェントである可能性が極めて高いからだ。
上述の国会質疑の通り、占領期のCIC(CIAの前身組織)の時代から対日工作の責任者だったナサニエル・B・セイヤーだが、CIAエージェントであったと同時に「ジャパン・ハンドラー」とも呼ばれる。

アメリカの主なシンクタンク
(中田安彦「ジャパン・ハンドラーズ」2005、p157)
セイヤーが後に主任教授、また名誉教授となる「ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(School of Advanced International Studies、SAIS)」はハーバードのケネディ・スクールやジョージタウン大学、コロンビア大学と並ぶ対日工作立案のヘッドクォーターだ。
そのSAISのアジア研究室は、駐日大使だったライシャワー・ハーバード大学教授の名前を取った「ライシャワーセンター」と呼ばれ、セイヤーが立ち上げに関わった。
またセイヤーは、当時の中曽根康弘首相がライシャワー・センターに100万ドルの寄付をしたことで設置された「中曽根康弘講座(日本研究寄付講座)」の担当教授でもあった。
(日本財団図書館 https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2000/00242/contents/023.htm)
CIC、CIA、NSA、NSCを通じて対日工作の責任者クラスだった人物が、大学で「中曽根康弘講座」なるものを担当していたのだ。
SAISアジア研究室出身者には、小泉進次郎の上司でもあるジャパン・ハンドラー、CSIS日本部長のマイケル・グリーンや、同じくCSIS日本部長のケント・カルダー 、国防副長官ポール・ウォルフォウィッツ(元SAIS学院長)などがいる。
SAIS自体の出身者・教授陣にははオルブライトやブレジンスキー、フランシス・フクヤマなど著名なネオコンが勢ぞろいしている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%97%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%96%A2%E4%BF%82%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2
SAISはフォーリン・ポリシー誌の国際関係学ランキングで2位を獲得しており、卒業生は世界175カ国の大使館や公邸に派遣されている非常に評価の高い組織だ。
https://sais.jhu.edu/news-press/press-releases/johns-hopkins-sais-rises-foreign-policy-magazine-rankings
開示された米国の公文書のなかに、セイヤーによるターナーCIA長官への書簡「東アジアにおける主要な権力関係」(1980年6月)を見つけた。(冒頭部の開示が承認されなかったようで削除されている。)
それによると、「日米関係はそれほどうまくいっていない。一般のアメリカ人は主に経済的に日本を警戒しているが貿易問題がその原因だ。しかし日本は反ソでありアメリカの方針に従っている。経済最優先で軍事拡張は望んでいないが、ソ連封じ込めのためにもっと日本を利用すべきだ」といった内容となっている。
https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp83b00551r000100160023-7
ナサニエル・セイヤーは、ジョセフ・ナイやリチャード・アーミテージらと並ぶジャパン・ハンドラーであった。
「ナサニエル・セイヤーはほぼ半世紀にわたり、アメリカの日本管理を担った重要人物である」とは、愛知大学・国際問題研究所客員研究員の古村治彦の言だ。
https://suinikki.blog.jp/archives/85753255.html
CIAの元幹部が内部文書を明らかにしたクロウリー・ファイルの中でCIAエージェントだと名指しされたジェラルド・カーティス(コロンビア大教授)に関して、古村は次のように述べた。
次回はもう少し中曽根とその周辺の疑惑を探る。
あらためて調査していておもしろい話を知った。
今日はここまで。
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