三国史記14巻に載っている、韓国版、ロミオとジュリエット。
高句麗の瑠璃王(ルリおう 루리왕)が卽位して37年ぶりに死去すると、その第三子無恤が即位した。
これが大武神王(대무신왕)だ。
長男解明はすでに亡くなっていたし、二番目の息子は水に溺れて死んだからだ。
大武神王(テムシン 대무신))が卽位して15年目になる年の4月。
美形の王子好童(ホドン 호동)は、オクジョの地に遊覽をしにいった。
好童は、一目見ただけでも美しく、眉目が秀麗で、まるで望月が中天に上るが如く明るかった。
王子はオクジョの国境地方を遊覽する途中に、脚が痛くて、やすんでいた。
その時,騷しいお越しがそこを通った。
そのお越しというのが、楽浪の太守、崔理(チェリ 최리)のお越しだった。
ちょうどその時、楽浪王の馬が暴れ出した。
臣下も右往左往する中に、好童は雷光のように走り寄り、端綱を取って暴れ馬を取り押さえた。
崔理と臣下は、彼の勇敢さと秀麗な顔つきにおどろいて,
「私が見るからには、凡人ではではなと思う。 もしかして、北国神王(大武神王)の王子か?」
というから、好童は「そうです。」と答えた。
楽浪王は喜んで、「わが国の首都でちょっと休んでいかないか?」と勸めるから
好童も快くその話しを受け入れた。
楽浪宮で、好童王子は每日のようにいい待遇を受け、
楽浪の王女と相思相愛の関係に陥った。
「王女、私が国を離れてから、もう何ヶ月も過ぎました。父上が心配なさっていると思います。
少しだけ待って下されば、父上の許可を受けて、あなたを迎えに来ましょう。」
王女は泣いた。
この別れが、永遠の別れになるような気がしたからだ。
やがて、好童王子は楽浪を去り、高句麗に帰り、
楽浪王女は毎日のように心配しながら、王子が来るのを待っていた。
ある日、ついに、好童王子から使者が来た。
が、使者が伝えた内容は、あまりにも以外な内容だった。
「王女、武器庫に入って鼓角を破って下さい。そうしなければ、貴女を迎えに行くことができません。」
そこに書いてある太鼓と笛は、普通の太鼓や笛ではなく、
敵が来襲した時に、誰が打たなくてもひとりでに鳴る、不思議な太鼓だった。
楽浪王女の心は、引き裂かれるように、痛かった。
国を裏切るか、王子を裏切るか、、、、、、、、。
しかし、あくまで、愛に盲目になった王女は、王子の命に従って、
国宝である二つの楽器を、自らの手で、裂いてしまったのである。
そして、好童王子にその旨を告げ、王子の迎えを待っていた。
好童王子は高句麗の大武神王に、楽浪の不思議な太鼓と笛が破られたことを伝え、
高句麗は楽浪を攻めて、勝利を治めた。
楽浪王 崔理(チェリ)は、国宝の鼓角が裂かれた事を知り、
また、それが娘の仕業であることを知り、怒りに憤慨した。
楽浪王、崔理(チェリ)は、娘の首を一揆に切り落とし、高句麗に降伏してしまった。
好童王子は、高句麗の大武神王の庶子(妾の子)である。
今回、好童王子が功をたてたので、王妃は、だんだん好童王子を憎むようになっていった。
それで王妃は、好童王子が、自分を憎んで殺そうとたくらんでいると、王に告げ口をした。
王もだんだんその話を信じるようになり、好童王子を憎むようになっていった。
好童王子は考えた。
もしも王妃の悪巧みを王に話せば、王妃に対する不信を招くことになる。
それが本当に孝行かどうか、、、、
そうして、好童王子は、自ら命を絶ってしまった。
その年が11月。楽浪王女の愛を踏みにじってから、まだ何ヶ月しかたってないときだった。






